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最新パーツ性能チェック 第137回

2万円VGAの覇権を狙う「GeForce GTX650Ti BOOST」

2013年03月26日 21時01分更新

文● 加藤 勝明

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 つい先日、AMDが150ドル近辺のお手ごろ価格となる新ミドルレンジGPU「Radeon HD7790」(以下、HD7790)を発表したばかりだが、今度はNVDIAもこのゾーンを狙った新GPU「GeForce GTX650Ti BOOST」(以下、GTX650Ti BOOST)を発表した。

「GeForce GTX650Ti BOOST」搭載ビデオカードのリファレンスモデル。外見はGeForce GTX 660などと同一だ

 NVIDIAによれば、129ドルのGeForce GTX 650 Ti(以下、GTX650Ti)と、199ドルのGeForce GTX 660(以下、GTX660)の間にぽっかりと開いた150ドル前後のスイートスポットにおさまる製品になっているという。

 搭載ビデオメモリーが1GB版と2GB版があり、2GB版は169ドル、国内では1万9800円程度で流通する模様だ(149ドルの1GB版は4月以降の出荷予定、かつ国内価格は不明)。

GTX650Ti BOOSTもショート基板で提供され、メーカーごとに独自クーラーが装着されるものと思われる

 このGTX650Ti BOOSTではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。今回はNVIDIAからリファレンス仕様のカードを入手できたので、これを使って検証してみたい。

足回りや加速力はアップしたが、TDPは134W

 最初にGTX650Ti BOOSTと既存の製品のスペックを比較してみよう。実売2万3000円前後のGTX660にどこまで肉薄できるかが見どころだ。

各ビデオカードの比較表
  GeForce GTX
650 Ti BOOST
GeForce GTX
650 Ti
GeForce GTX
660
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
ストリーミング
プロセッサー数
768基 768基 960基
コアクロック 980MHz 925MHz 915MHz
ブーストクロック 1033MHz - 980MHz
メモリ転送レート(相当) 6GHz 5.4GHz 6GHz
搭載メモリー 2GB GDDR5 1GB GDDR5 2GB GDDR5
メモリバス幅 192bit 128bit 192bit
TDP 134W 110W 140W
外部電源 6ピン×1 6ピン×1 6ピン×1
  Radeon HD 7790 Radeon HD 7850 Radeon HD 7770
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
ストリーミング
プロセッサー数
896基 1024基 640基
コアクロック 1000MHz 860MHz 1000MHz
メモリ転送レート(相当) 6GHz 4.8GHz 4.5GHz
搭載メモリー 1GB GDDR5 2GB GDDR5 1GB GDDR5
メモリバス幅 128bit 256bit 128bit
TDP 85W 130W 80W
外部電源 6ピン×1 6ピン×1 6ピン×1

 最大の特徴は名前からもわかる通り、従来GTX650番台では搭載されなかった「GPU Boost」が搭載されたこと。さらにメモリーバス幅が192bitに拡幅され、メモリーデータレートも6008MHz相当に増速している。

 GTX650Tiに機能を追加したというよりも、SP数を削って若干高クロック化したGTX660と言う方が正しい。スペックダウンした分TDPはGTX660から6W下がった134Wになっている。

「GPU-Z」による情報表示。SP数はGTX650Tiと同じだが、メモリー回りはGTX660と同じという構成だ。高負荷時のブーストクロックは1084MHzまで上昇したのを確認した

 かつてこのGPUは、ネット上のリーク系サイトで「GeForce GTX 660 SE」と噂されていた。スペックを見る限り、GTX660SEの方がしっくりくるだろう。HD7790がHD7770のスペックアップ版だったのとは対照的だ。

外部電源はGTX660や650Tiと同様に、6ピン1系統となる

出力端子は標準的なDVI×2にHDMIとDisplayPortが各1

リファレンスクーラーはこれまでと同じブロワータイプのファン。高回転になるとカラカラというノイズが発生するのは相変わらずだ

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