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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第205回

「GeForce GTX 700」シリーズを揺さぶる7GbpsのGDDR5

2013年06月03日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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「GeForce GTX 700」シリーズの
下位モデルを次々と市場に投入

Fermi~Kepler世代のNVIDIA GPUロードマップ

 さて、ここからは今後の話だ。まず比較的近いうちに投入されるといわれているのが「GeForce GTX 760 Ti」である。内容的にはGK104-A2コアそのものだが、シェーダー数を若干無効化したもので、ポジション的には「GeForce GTX 670」の後継製品となる。

 当初はGeForce GTX 670の後継ということで、コアの動作周波数を1GHzあたりまで上げることで性能を10%程度改善する、という形に落ち着きそうだ。

 また、現時点でのロードマップには出てきていないが、市場の要求が高いようならば、さらにこの下に動作周波数をやや落とした「GeForce GTX 760」を投入する準備はしているようだ。こちらは「GeForce GTX 660 Ti」の後継製品という扱いになるだろう。

 そして、正確な時期が不明(8月だろうといわれているが、多少前後するかもしれない)ではあるが、GK104→GK104-A2と同じように、GPU Boost 2.0の搭載とメモリーコントローラー周りの変更を行なったGK106-A2コアを搭載した製品が、「GeForce GTX 750 Ti」として投入される模様だ。

 コアそのものは若干の高速化(980MHz→1050MHz前後?)を行なうに留まるが、メモリーコントローラーは最大7GHzまで速度が引き上げられるようである。問題は7GbpsのGDDR5チップを、このグレードのビデオカードに入れられるほどの価格と数量を調達できるかどうかだ。

7GbpsのGDDR5に左右される
「GeForce GTX 750 Ti」

 GDDR5の場合、現状6Gbps品は以前に比べると価格のプレミアもずっと下がっており、また出荷数量も比較的順調であるが、7Gbps品はさすがにプレミアが結構ついており、数量もやや限られている。これを現在の「GeForce GTX 660」と同じグレードにいつ搭載できるかがポイントになりそうである。

 厄介なのは、すでに「GeForce GTX 660」が6GbpsのGDDR5を搭載していることである。たとえばこれまでなら、6.2Gbpsや6.5Gbpsといったように小刻みに動作周波数を上げることで性能の差別化を図るといった細工が可能だった。

 ところが現在DRAMベンダーが提供しているGDDR5では、6Gbpsの上がすぐ7Gbpsになっており、6.2Gbpsや6.5Gbpsという構成をとるためには、結局7GbpsのGDDR5を調達しないといけないため、コストダウンの余地がないことだ。

 だからといって6GbpsのGDDR5のままだと、性能改善はほとんど望めない。このあたりが、いつ「GeForce GTX 750 Ti」を市場投入できるかに関係しているようだ。ちなみにここからさらに動作周波数を下げた製品を、GeForce GTX 650 Ti/GeForce GTX 650 Ti Boostの後継として「GeForce GTX 750」として投入する可能性もあるが、現状は「可能」というだけで具体的に決まったわけではないらしい。

20nmプロセスの次世代GPU
「Maxwell」の登場は2014年

 この先に関しては、現状ではまだハッキリした話が出てきていない。まずGK117コアに相当するコア(GK107-A2?)を作るかどうかというと、「基本的には作らない方向」という話であった。なにしろ大きな違いはGPU Boost 2.0の有無だけでしかないため、もともとGK107を使うような製品には無関係なのだ。

 以前の40nm世代の場合、GeForce GTX 480→GeForce GTX 580ではずいぶんと性能が改善したが、あれは元々のGF10xシリーズの設計(特にGF104)が悪かったため性能の伸び代が大きかったのであって、GK10x世代ではもともと最適化が進んでいる分、作り直してもそれほど性能は改善しない。

 加えて言えば、TSMC自身も28nm世代はプロセスの改良は一旦終了。今はさらなる製造能力拡大に向けて、2013年3月にSTSP Phase 7(Fab 14)の建設に着手したばかりである。

TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)が、Southern Taiwan Science Parkに建設中のファウンダリー(Fab 14)

 プロセスの改善は、もっぱら20nmプロセスに向けられており、台湾の新竹にあるFab 12 Phase 6で、20nmプロセスの量産を今年中に開始するほか、Fab 14 Phase 5でも20nmプロセスの量産を行なうという話になっている。

 もっとも当初はリスクプロセス(製造リスクが高い、いわば様子見の段階)で、これでいきなり製品の量産を行なおうという勇気あるベンダーはそれほど多くない。

 20nm世代ともなると、テープアウト(量産に必要な設計が完全に終了した段階)から実際にチップが製造されるまで3ヵ月~6ヵ月という長期間になる。そのため、最初の1~2回は様子見の製造を行なってから本格量産ということになる。したがって「今年中に量産開始」といっても、チップが出てくるのは早くて年末、実際には2014年に入ってからと見るのが正解だろう。

 NVIDIAはこの20nmプロセスを使って次世代GPUである「Maxwell」の製造を行なう予定だが、NVIDIA自身がこのMaxwellコアの投入は2014年と明言している。なので2013年中はこれ以上新コアは出さず、もし新しい製品が必要ならば構成変更などで対応する形で、2014年まで繋ぐものと思われる。

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