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AMDグラフィックスプロダクトマネージャーDevon Nekechuk氏インタビュー

AMDが最新ドライバーの利用を推奨、気になる新GPUは?

2013年02月14日 20時00分更新

文● 石井 英男

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2013年はRadeon HD 7000シリーズを継続

 Radeon HD 7970が発表されたのは2011年12月22日であり、1年以上が経過している。そろそろ後継製品が気になるところだ。今回、Devon氏が来日して、インタビューの場を設けてくれた理由の1つに、Radeonシリーズの製品ロードマップを周知させたいということがあるようだ。

 今年のCESで、AMDはノートPC向けのRadeon HD 8000Mシリーズを発表したが、これは新アーキクチャーを採用した製品ではなく、従来のRadeon HD 7000Mシリーズのリネーム版となる。Radeon HD 8000Mシリーズは、DELLやHPなどのOEM向け製品であり、中身はRadeon HD 7000Mシリーズと変わらない。

北米最大の家電見本市「International CES 2013」で、AMDはノートPC向けのRadeon HD 8000Mシリーズを発表した

 それでは、Radeon HD 7000の後継はどうなっているのだろうか。その質問に対して、Devon氏は次のように答えた。「2013年は今の製品、Radeon HD 7000シリーズをずっと売り続けます。これが主な製品ラインです。2013年内にチャネル向けとしてRadeon HD 8000シリーズを出すことはありません。先ほどのベンチマーク結果でもおわかりいただけたと思いますが、Radeon HD 7000シリーズのパフォーマンスは、競合製品に対して十分なアドバンテージがあります。競合メーカーから新製品が登場したとしても、今のRadeon HD 7000シリーズで十分対抗できると考えております」

Radeon HDシリーズのロードマップ。図でわかるように、現行のRadeon HD 7000シリーズがそのまま2013年中は継続販売される。図は2013年第3四半期までとなっているが、実際は第4四半期までとのことだ

 つまり、Radeon HD 8000シリーズの登場は、2014年になるというのがDevon氏からのメッセージだ。後継製品の登場が来年になるというのは、ちょっと残念にも思えるが、逆に考えると、今Radeon HD 7000シリーズを購入すれば、今年末まではAMDの最新モデルとしての地位をキープできるということでもあり、これからDirectX11対応ビデオカードを買おうと思っている人も、安心してRadeon HD 7000シリーズを選べるということでもある。

APUのグラフィックス性能は今後も上がるが、
GPU市場は安泰

 AMDは、CPUにGPUを統合した製品をAPUと呼んでいる。インテルのCore iシリーズも、CPUにGPUが統合されているが、AMDのAPUはインテルのGPU統合CPUに比べて、グラフィックス性能が高いことが魅力だ(CPU性能は逆にインテルのほうが高い)。今後もAPUのグラフィックス性能は向上を続けることが予想されるが、そうすると単体GPU(ディスクリートGPU)の市場を、APUが侵食してしまう可能性がある。AMDは、そのあたりをどう考えているのか訊いてみた。

CPUにRadeon HD 7000シリーズのGPUを統合したAPU「AMD A」シリーズ

 「おっしゃる通り、APUのグラフィック性能はどんどん上がっていきます。ですので、Radeon HD 5450のようなローエンドGPUに関しましては、APUのほうがグラフィックス性能が高いということになります。しかし、製造コストを考えると、APUのダイサイズは、最大でもミドルレンジのグラフィックチップと同じくらいのサイズしかとることができません。APUのダイのうちGPU部分が占める割合は半分強なので、どの世代においても、APUのグラフィックス性能より、ミドルレンジGPUのグラフィックス性能が上回ることになります。」

AMD Aシリーズ(Trinity)のダイ写真。左半分がCPUで、右半分がGPU

 「また、ローエンドGPUの市場について考えてみると、インテル製CPUのグラフィックス性能はローエンドGPUよりも低いので、その市場も残ると思います。CPUはインテルが90%くらいのシェアを持っているでしょうが、その状態が続く限りは、その市場に向けてローエンドGPUを売り続けていくことができると考えています」

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