今年3月に開催された「GDC 2013」において、AMDはRadeon HD 7970 GHz Edition相当のGPUを2基搭載したデュアルGPUカード「Radeon HD 7990」(以下、HD7990)を発表した。
Radeon HD 7970 GHz Edition相当のGPUを2基搭載したデュアルGPUカード「Radeon HD 7990」
今年は新しい設計のGPUを出すことはないと明言し、ドライバーのチューニングとゲームデベロッパとの関係強化による“ソフト的なパフォーマンスアップ”を選択したAMDだが、長らく空位だったエンスージアスト向けのハイエンドGPUがHD7990の投入でようやく埋まることになる。
実際にこれを使った製品がどのメーカーから出てくるか原稿執筆時点では不明だが、HD7990の予想価格は1000ドル前後。恐らく国内では為替と代理店が噛む関係で12万円程度になると予想される。GTX TITANやGTX690と大差ない価格となると予想されている。
今回はAMDからHD7990のリファレンスカードを入手することができたので、実際どの程度のパフォーマンスを出せるのか、検証してみたい。
2種類あるRadeon HD 7990
さて、昨年の段階からHD7990という製品型番と「New Zealand」という開発コードは、昨年の時点でネット上を飛び交っていた。しかし今回登場したHD7990は「Malta」という別の開発コードが与えられている。この経緯の下に隠れた事情は不明だが、MaltaはAMDの手による“デュアルHD7970カード”の標準仕様であると考えていいだろう。なお、今回入手したリファレンス版HD7990のスペックは以下の通りとなる。
| 各ビデオカードの比較表 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| GPU | Radeon HD 7990 | Radeon HD 7970 GHz Edition |
GeForce GTX 690 | GeForce GTX TITAN | ||
| 開発コード | Malta | Tahiti | GK104 | GK110 | ||
| 製造プロセス | 28nm | 28nm | 28nm | 28nm | ||
| ストリーミング プロセッサ数 |
2048基×2 | 2048基 | 1536基×2 | 2688基 | ||
| コアクロック | 950MHz | 1000MHz | 830MHz | 837MHz | ||
| ブーストクロック | 1000MHz | 1050MHz | − | 876MHz | ||
| メモリー転送レート(相当) | 6GHz | 6GHz | 5GHz | 6GHz | ||
| メモリータイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | ||
| メモリーバス幅 | 384bit×2 | 384bit | 256bit×2 | 384bit | ||
| メモリー容量 | 3GB×2 | 3GB | 2GB×2 | 6GB | ||
| TDPまたは 最大消費電力 |
非公開 | 250W | 300W | 250W | ||
| 外部電源 | 8ピン×2 | 8ピン+6ピン | 8ピン×2 | 8ピン+6ピン | ||
HD7990のカードデザインは一見の価値ありだ。全長300mm以上で裏面は放熱板で覆われているが、その長さをほぼ一杯に使ったGPU冷却用の巨大ヒートシンクが装着されている。
このクーラーの性能は本当に素晴らしい。ハイエンドビデオカードにありがちな爆音仕様ではないのだ。アイドル時のファンノイズは皆無に近く、高負荷時でもGTX TITAN以下のノイズだ。ただし今回テストしたカードはコンデンサーがかすかに鳴く個体だったため、ノイズレベルの比較は見送った。
TDPや最大消費電力は非公開となっているが、外部電源は8ピン×2系統を使用する。ASUSTeK製のNew Zealand版HD7990カード「ARES2-6GD5」は8ピン×3という恐ろしい仕様になっていることを考えると、HD7990の設計は常識的な範囲に収まっているといっていい。ただし公式の情報では、HD7990利用時の推奨電源容量は750W。さらにこれを2枚使う場合は1000W以上の電源ユニットが必要となる。
※訂正:発表当時の「Radeon HD 7990」のスペックに誤りがあったと、AMDから報告がありましたので、正しいスペックに記事を訂正しました。(2013年5月14日)
誤:コアクロック1.0GHz
正:コアクロック950MHz ブーストクロック1.0GHz
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