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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック”第10回

人は余白に魅了される レイアウトの新しいトレンド

2013年02月08日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 子供の頃、学校の授業が退屈で教科書の余白に絵を描いた。そんな経験をお持ちの方も多いと思う。パラパラ漫画にして絵を動かしたことがキッカケで、プロのアニメーターや映画監督になったり、教科書の片隅に書いたイラストをネットにアップしたら有名になってプロになった……、なんて話をときどき聞く。

 こんなふうに人がクリエイティビティを発揮できるのは、レイアウトに余白があるからこそ、と筆者は密かに思っている。人間は余白があると埋めたくなる。紙媒体でもデジタルでも、クロスワードパズルや数独が世界中で人気なのは、そんな人間の欲求があるからだ。


パラパラ漫画「つなわたり」YouTube Video Awards Japan 2011アニメ部門入賞

コース型からビュッフェ型のレイアウトへ

 ネット上のレイアウトでは、どんどん余白が無くなってきている。その理由の1つは、1つの画面にどれだけ情報を集約できるかが課題になっていること。デスクトップなら複数のカラムにテキストや画像を流し込み、モバイル機器なら、それ専用のレイアウトでテキストや画像が配置される。

 これは料理でいえば、前菜からメイン、デザートまで順番に運ばれる「コース料理」のスタイルから、好きなものを選んで食べられる「ビュッフェ料理」のスタイルに似ている。コース料理であれば、テーブルに余白があるから、そこに銀食器やワイングラスを並べたり、バラをさした花瓶を置いて空間を楽しむこともできる。

 しかし、機能でいえばビュッフェ型が勝る。自分の好きな料理(情報)を待たずに、好きなように得ることができる。ニュースサイトであれば、その日の株価を見た後に、芸能ゴシップを見ることもできるし、政治についての論説を読める。ビュッフェであれば、好みでパスタの後に味噌汁をチョイスもできる。ただし、同じテーブルの人に「え?!」と驚かれる可能性もありますが……(笑)。

 ただし、食事にしてもサイトにしても、ビュッフェ型はレイアウトは雑多な感じになってしまうのが難点。つまり、デートに誘うなら、ビュッフェよりもコース料理が人気なのもそんな理由。「機能」を優先させるのか「洗練さ」を優先させるのか、が問題になる。

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