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サーバー分野まで自動階層化を拡張

来年はオールフラッシュアレイ?ネットアップに聞いた

2012年12月12日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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高速なアクセス性能を実現するフラッシュは、ITインフラの全体で非常に重要なコンポーネントになっている。サーバーまで含んだ幅広いシステムの最適化を求め、フラッシュ対応を進める米ネットアップのブレンドン・ハウ氏に同社のフラッシュ戦略を聞いた。

「意識せずに自動階層化」がネットアップの強み

 ここ近年、ストレージのハードウェアにおいて最大の出世頭といえるのは、ご存じ「フラッシュディスク」だ。HDDに比べて圧倒的に高速なアクセス速度を実現するフラッシュは、価格の下落と共にエンタープライズの分野で市民権を得つつある。米ネットアップ プロダクトソリューションマーケティング バイスプレジデントのブレンドン・ハウ氏は「フラッシュは市場を大きく変える技術であり、効果はパフォーマンスだけではなく、TCOや電力削減にも効く。すべての企業が興味を持っている」と説明。ネットアップもフラッシュ製品の投入を開始した2009年から、トータルで28PBのフラッシュを出荷しているという。

米ネットアップ プロダクトソリューションマーケティング バイスプレジデント ブレンドン・ハウ氏

 ネットワークのフラッシュへの取り組みを見ていこう。2009年にまず投入したのは、読み出し速度を高速化するための「Flash Cache」。Flash CacheではユニファイドストレージであるFASコントローラーのキャッシュとして利用でき、すべてのワークロードにおいて性能向上が実現する。その後、2010年からはFASやEシリーズでのSSD導入を進め、2012年にはリードだけではなく、ライトの性能も高速化する「Flash Pool」を投入。シェルフ側のフラッシュ導入も実現した。

ネットアップのフラッシュ導入の歴史

 Flash PoolではSSDやSAS HDD、SATA HDDなど、性質の異なるストレージに対して最適なデータ配置を行なう階層化機能である「Virtual Storage Tiering」を提供している。

 Virtual Storage Tieringでは、どういったデータにアクセスが集中しているのかを自動的に判断し、フラッシュやHDDなどにデータを移動させてくれる。「アクセス頻度が高いデータはフラッシュに、低くなっているデータをHDDに移動する。ユーザーが特に構成や置き場所を考える必要はない」(ハウ氏)とのことで、ユーザーが意識しないで利用できるのが大きなメリットだ。

階層化のコンセプトをサーバーまで拡張

 そして、先日発表されたのが「Server Cache」だ。これは名前の通り、サーバーに挿入するタイプのフラッシュで、ネットアップとしては新しい領域のソリューションになる。アプリケーションを実行するCPUにもっとも近いサーバー内のフラッシュを利用することで、ネットワークの遅延を意識せず、性能を向上させる。「従来はストレージだけだったが、VSTをサーバーにまでシンプルに拡張したものだ。現在の価格や容量を考えると、Server CacheでDBを持たせるくらいの容量を得ることができる」(ハウ氏)とのこと。

VSTの概念をストレージからサーバーまで拡張

 このServer Cacheは、バックエンドのFASと連携するサーバー側のソフトウェア「Flash Accel」として提供される。「すでにサーバーにおいてフラッシュを利用しているユーザーは多いが、こうしたサーバーでの導入の場合、バックエンドのストレージとどうやって同期をとっていくかが課題だ。Flash Accelでは、たとえばデータベースが破損してしまっても、ストレージからリストアを戻し、DataONTAPと同期をとることができる」(ハウ氏)とのことで、サーバーからストレージまで一気通巻で最適化が図られるのが大きな特徴だ。

 また、Server Cacheは単に製品での提供だけではなく、Flash Accelと連携するパートナーのハードウェアの提供、および超高速なフラッシュメモリとして名高いFusion-ioのリセールという形態もプログラムとして用意されている。こうした複数の提供形態を用意したのはなぜか? 「単にカードを提供しただけでは、われわれのフラッシュの価値を十分に提供できないと考えた。エコシステムの中からユーザーに選択肢を用意したいと思っている」(ハウ氏)。パートナーにとっては、きちんと統合された形でテスト・検証済みのソリューションとして提供できる。

オールフラッシュアレイの投入も計画

 ハウ氏は、ネットアップで現在欠けたピースとして、より高い性能というニーズに対応するオールフラッシュアレイを挙げ、製品の開発を進めていることを言及した。「サービスプロバイダーや大手エンタープライズ企業で、遅延やトランザクションにシビアなユーザーがこうしたオールフラッシュ製品に興味を持つだろう。オペレーションにかかるコストより、かかる時間を重視する顧客だ」(ハウ氏)。

オールフラッシュ型ストレージもポートフォリオには必要

 「オールフラッシュの製品といっても、ただ高性能なだけの製品を作るというのは最終的なゴールにはならない。高可用性を重視する企業でも使ってもらえるようソフトウェアを統合していくこと、目的に特化した製品ではなく、さまざまな利用目的にスケールアウトできるインフラが必要になる」とのことで、ソリューション全体の最適化を意識する必要があると説明した。ここらへんが来年投入されるフラッシュ製品のヒントになるだろう。

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