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ネットアップが考える失敗しないフラッシュ活用術 第3回

エンタープライズで今すぐ使える「EF540」

性能だけでOK?オールフラッシュアレイの存在価値を考える

2013年08月19日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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昨今、大きな注目を集めるオールフラッシュアレイ。「100万IOPSを実現!」といった威勢の良いかけ声も出ているが、果たしてどんなユーザーやワークロードに向いているのだろうか? 今回はオールフラッシュアレイの存在意義を考えてみた。

ワークロードから考える
オールフラッシュアレイの位置づけ

 前回はフラッシュとHDDの特徴をいいとこ取りしたネットアップ独自の階層化管理であるVSTのメカニズムとメリットについて解説した。アクセス頻度の高いデータをフラッシュに格納し、キャッシュとして活用することで、システム全体の性能を底上げ。一方で、キャッシュアウトされたデータは、容量面で有利なHDDに保存し、必要なときに引っ張り出せるようにする。また、階層化管理の処理をすべて自動で、しかもリアルタイムに行なえるVSTは、非常に幅広い用途で有効活用できることがわかっただろう。

 そして、実際の検証においても、スループットが向上し、HDDへのアクセスが減ったことが確認できた。さらに余力のできたHDDを用いて別のデータベースを統合しても、パフォーマンスが落ちないという検証も見てもらった。

 さて、ここまでの内容でVSTの優秀さは理解できたと思うが、すべてのワークロードをVSTで対応できるわけではない。きわめて高い性能が必要で、VSTやHDDのみの構成ではカバーできない領域が確実に存在するのだ。ここにオールフラッシュアレイの存在意義がある。

 下の図は、ストレージのI/O性能と容量の関係を色分けし、そこにさまざまなワークロードを当てはめたものだ。これを見れば、どういったワークロードがオールフラッシュに向いているかが一目瞭然だ。

ストレージのI/Oと容量の関係

 たとえば、非構造化データの保存を目的とするコンテンツリポジトリという用途は、HDDだけで十分だ。容量が必要なわりに、アクセス頻度が高くないので、安価なSATA HDDを束ねたストレージが最適というわけだ。そして、業務システムやWebのインフラ、アプリケーション開発、コラボレーション、ほとんどのアプリケーションに関しては、VSTでカバーできる。比較的高いI/Oの求められるVDI(Virtual Desktop Infrastracture)やOLTPをはじめとしたデータベースシステムでも、フラッシュと高速なSAS HDDのハイブリッド構成で性能と容量の要件を満たすことができる。一方、きわめて高いI/O性能を求めるデータベース、低遅延を要求するアプリケーションやHPC(High Performance Computing)という領域も確実に存在する。こうした特殊なワークロードに最適なのがオールフラッシュアレイだ。

 フラッシュとHDDのハイブリッド構成であるVSTとオールフラッシュアレイの関係を見ると、以下のようになる。ワークロードで分類すると、ほとんどがVSTでカバーでき、一部の特殊用途でオールフラッシュアレイが有効というわけだ。以下、ネットアップのオールフラッシュアレイ製品と戦略について見ていく。

VSTとオールフラッシュアレイの関係

オールフラッシュアレイ「EF540」のあなどれない実力

 昨今、新興ベンダーが次々とオールフラッシュアレイを展開しており、市場を賑わせている。これらはOSまでもフラッシュに最適化されており、永続的なデータの格納先としてHDDの代わりにSSDを用いる。最近ではディスクインターフェイスを介するSSDではなく、RawフラッシュをPCIeなどに接続することで、高い性能を実現する製品も登場している。こうしたオールフラッシュアレイのベンダーが製品のポイントとしてアピールするのは、「100万IOPS!」といった圧倒的な性能。オールフラッシュアレイはいわば“レースカー”で、一般車のような従来型ストレージはすでにレガシーと説明しているベンダーもある。

 このように盛り上がる市場に対し、ネットアップは「EF540」というオールフラッシュアレイを2月に発表した。そして、来年には「FlashRay」と呼ばれるEF540とは別ラインのオールフラッシュアレイを提供する予定となっている。FlashRayでは、オールフラッシュの構成に最適化したOSを新たに書き起こすという気合いに入りよう。ネットアップのフラッシュにかける意気込みが伝わってくる。

 Eシリーズは同社がLSIロジックから買収したエンジニオのRAID製品をベースにしたストレージ。EF540は複数のSSDから構成されるオールフラッシュのディスクアレイ装置で、Data ONTAPのような高機能なOSを搭載したFASシリーズと異なり、シンプルなOSを採用している。

オールフラッシュアレイ「EF540」の特徴

 気になる性能は35万IOPS。従来のHDDベースのストレージと比べれば高い性能だが、他社製品より圧倒的に高いI/O単価というわけではない。では性能にとどまらないEF540のメリットとはいったいなんだろう? 以下、具体的な内容をひも解いていこう。

(次ページ、EF540の正体は「超高速な普通のディスクアレイ装置」)


 

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