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アンダー100万円ストレージの市場を賑やかす新製品

いよいよ100万円切りでVNXeに対抗!「FAS2220」登場

2012年06月07日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月6日、ネットアップは中小企業向けストレージ「FAS2220」を発表した。昨年11月に投入した「FAS2240」の好調ぶりを受け、さらに100万円を切る低価格化を実現した新モデルとなる。

エントリモデルでもDataONTAPは標準搭載

 FAS2220はSANとNASを両方をサポートするユニファイドストレージで、同社でもっともエントリにあたるモデル。2Uの筐体に最大60ドライブを搭載可能で、180TBの容量を実現する。

2Uで180TBの容量を実現するFAS2220

 ソフトウェアは他のFASシリーズと同じ「Data ONTAP」を搭載。複数プロトコルのサポート、FlexShare、シンプロビジョニング、重複排除、スナップショット、クラスタリング、マルチテナンシーなど、エンタープライズ向けのFAS6000/3000シリーズと同等の多彩な機能を提供する。マーケティング部チャネルマーケティング担当 シニアマネージャー 篠木隆一郎氏は、「低価格でも必要なソフトウェアを標準搭載しており、機能面での妥協はない」とアピールする。性能面でも、旧機種のFAS2020と比べて、3~7倍のパフォーマンスを誇るという。

ネットアップ マーケティング部チャネルマーケティング担当 シニアマネージャー 篠木隆一郎氏

 上位機種のFAS2240に比べると、ソフトウェアや搭載メモリ、オンボードのインターフェイスは同等だが、搭載できるストレージ容量が少ない(FAS2240は最大432TB)。また、FCや10GbEなどのオプションI/Oカードやディスクシェルフとしての転用などはサポートしない。

VNXeに有力な対抗馬登場

 FAS2220の最大のアピールポイントは、やはり95万円から(SATA 1TB×6本の場合の参考価格・税抜)という価格だ。参考価格179万円台からのFAS2240に比べ、より低廉なプライシングで提供されることになり、競合となるEMCの「VNXe」を追撃することになる。篠木氏は調査資料を引き合いに、50~200万円の中小企業向けストレージ市場が市場全体の約13%を占める200億円規模にのぼると説明し、「この分野で3年以内シェア1位を目指す」と意気込みを述べた。

95万円からという低価格を実現

 また、最新のDataONTAP 8.1.1で新たに提供された「Flash Poolテクノロジ」もサポートされる。Flash Poolテクノロジは、SSDをキャッシュとして利用することで、I/Oの高速化を実現するもので、ランダムなワークロードに最適。ネットアップ 技術本部 本部長の近藤正孝氏は、「I/O性能を保ったままディスク数を減らせるので、コストや電力の削減につながる」とアピールした。さらにネットアップストレージの状況を自動的に送信し、トラブル対応を行なう無償のサポートサービス「AutoSupport」にも対応。近藤氏は、こうした特徴のほか、使いやすくなったGUIツール「System Manager」やユニファイドストレージとしての実績、重複排除の粒度などを競合製品との差別化ポイントとして挙げた。

ネットアップ 技術本部 本部長 近藤正孝氏

 日本市場の中小企業にアピールする100万円切りという価格を実現したFAS2220のインパクトは大きい。VNXeから遅れた約1年をどのように巻き返し、国産周辺機器ベンダーの跋扈するこの市場をいかに切り崩すか。パートナーを巻き込んだ同社の施策が注目される。

一部、「FAS2220」を「FAS2020」と記載した箇所がありました。また、OSのバージョン表記も誤っておりました。お詫びし、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2012年6月7日)

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