10月6日まで「CEATEC JAPAN 2012」が開催中だ。ASCII.jpにもすでに数多く記事が掲載されているが、筆者もぶらぶらとしてきたので、個人的に気になったもの中心にチェックしていく。
今年は「Smart Innovation - 豊かな暮らしと社会の創造」をキャッチコピーとしており、最先端というよりは、少し先のライフスタイルを感じさせるものが多いと感じた。気になったのは、すでに起きている既存ガジェットカテゴリーの融合、ワイヤードからの脱却だ。
全体的にはアクティブな展開にわくわくできるというよりは、ちょっと先はこうなるの? と考えることが多く、開催中に訪れる予定の人も、そう感じることが多いのではないだろうか。もちろん、これはそのうちお世話になるのかしらという先端技術も展示されていたが、数はやや少なめだった。
興味のあるガジェットや家電をチェックするだけでなく、ふらふらと歩いてみて、おもしろそうな展示を見つけたら、それがどう自分の生活に影響するのだろうかと考えてみるのも、CEATECの楽しみ方のひとつだ。
といった、CEATEC全体のインプレッションを書いたところで、気になったものを順番にチェックしていこう。
なお、すでに掲載されている19歳女子が見たCEATEC JAPAN 2012の取材・作成補助のため、相川夏海ちゃんと一緒に各ブースを回った。取材ルートはほぼ同じなので、合わせて読むと性別や年代などによる見ているものの違いがわかるだろう。
「VAIO Tap 20」が気になったソニーブース
フルサイズセンサー搭載のα99も触れた
PS VitaやXperia Tablet Sなどがいい例だが、ネットワークサービスを組み合わせたユーザー体験をテーマにしていたのがソニーブースだ。スライダー型ハイブリッドPC「VAIO Duo 11」や無線LAN搭載のNEX-5R、NEX-6、久しぶりに登場したフルサイズセンサー搭載のデジタル一眼「α99」などに注目が集まっていた。
そんなブースの中でも、筆者が気になったのは「VAIO Tap 20」だ。テーブルトップPCで薄型PCのように立てて使用することにも対応し、水平に設置してタブレット的な運用ができるといったものだ。
このような使い方は方法はすでにスマホ+ジャケットでも提案されているが、VAIO Tap 20はバッテリーを内蔵している。つまりモバイルができる。そう、ラジカセを担ぐ黒人さんのように、液晶パネルを担いでモバイルができるのだ……!! 夢が広がるな!!
もっとも、イエデンワとは異なり、だいぶ重量があるのだが。モバイルルーターがあれば、ネットワークサービスを組み合わせたユーザー体験ができる。ソニー的にはきっとOKだろう。
次にα900ユーザーとして気になっていたα99。OVFからEVFになり、フルサイズを維持しての登場になった。ミラー駆動と必要としない「トランススルーセントミラー・テクノロジー」と軽量かつ堅牢性を得られるマグネシウム外装などを採用した結果、ボディは約733gと軽くなっている。比較的ゴツい見た目からすると、初めて手にしたときに驚く人もいるだろう。ちなみにシャッター音は切れ味はあるのだが、会場がうるさくてしっかり聞き取れなかった。なお、α900の豪快なミラーショック音よりは圧倒的に静かである。
AFセンサー面の強化も魅力的であり、広くなったダイナミックレンジにも興味を持っている。α57から導入された全画素超解像ズームやピクチャーエフェクトなどのソフトウェア的な機能も搭載され、近年αシリーズのすべてが詰まっているといってもいい。またα900が苦手としていた高ISOも克服しているのも重要なチェックポイントという人もいるだろう。なお、展示機はファームウェアが完成されているわけではないようで、操作感はα77に近いものだった。製品バージョンでの変化とアップデートに期待したい。
またα900ユーザーであれば、EVFの存在が気になっているだろう。短時間だがファインダーを見てみた限りでは、α77よりも自動で行われる露出補正が控えめだったが、OVFで得た感覚と激しくぶつかるため、しばらくは慣れとの戦いがあるだろう。