実行容量が下がるとコストにも跳ね返る
実効容量を確保するため、物理容量の大きいモデルを購入すれば、当然コストも跳ね上がる。実際に200TBの実効容量を提供するシステムを例に、従来型NASとアイシロンのハードウェアの実勢価格を比較したのが、図11になる。
前述の通り、従来型NASでは200TBの実効容量を実現するためには、432TBの物理ディスクを用意する必要がある。一方で、X200(8ノードは288TB、NL400でも360TB)の物理容量があればよいので、システム価格は大きく下がる。テクノ・システム・リサーチが調べたハードウェア実勢価格を見ると、従来型NASのシステム価格が5200万円強かかるのに対し、X200の場合1700万円強も、NL400に至っては2600万円強も従来型NASより安価に収まる。テラバイト単位のコストでとってみても、従来型NASに比べてX200であれば25%程度、NL400に至っては半分以上安くなるという試算になるわけだ。
加えてアイシロンの場合、従来型NASに比べて容量や性能の拡張性も優れており、スケールアウトNASとしてのさまざまなメリットも享受できる。
さらに、テクノ・システム・リサーチでは、両者のTCOについても調べたという。同じく実効容量200TBのシステムでのハードウェア、サポートのほか、機器を入れ換えるためのマイグレーション費用を含めている。なお、人的コストはユーザーによって差が大きいため、TCOには含めていない。
これを調べると、X200、NL400ともTCOは従来型NASよりも安価に済む。アイシロンの場合、サポート費用は毎年同じ額になるが、従来型NASの場合は、ハードウェアの無償保証期間が切れる4年目からサポート費用が一気に上がる。3年目219万円強だったサポートコストは、4年目に3倍強の687万円に上がってしまうのだ。こうしたサポート料の無償保証期間などの考え方はベンダーによって違うが、従来型NASでは導入してから時間が経つと金額が上がってしまう計算になるようだ。そのため、図12のとおり、4年目のTCOで見れば、X200が800万円、NL400では2000万円近く従来型NASよりも安価で済む。もちろん、テラバイト単価も大きな差が生じる。池田氏は「6年間使った場合でも、アイシロンのTCOのほうが安価です」と語る。
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今回は実効容量とTCOの観点でアイシロンの魅力について解説した。製品選定の際は、リストプライスに目を奪われがちだが、今後はこうした実効容量やTCOなどにも十分配慮して製品を選びたいところだ。次回は、ユーザーやエンジニアを悩ませるマイグレーションについて解説していきたい。
(提供:EMCジャパン)
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