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スマホと放送の融合を考える

NOTTV担当者をユーザーが直撃! スマホと放送の未来は?

2012年06月11日 21時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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「ニコ生」のように反応できる番組を作っていきたい

── 別の方にも意見をうかがってみましょうか。

参加者C 僕もみなさんと一緒の意見で、スマートフォンならではの機能を生かした番組が見たいです。例えばソーシャル的なものとか。

副島 ソーシャルというと、ニコニコ生放送のようものをイメージされていますか?

参加者C 少し違いますね。今のNOTTVはソーシャル連携といっても普通のテレビと変わらないような気がするんです。例えば、Twitterの画面が横にあって、対応するハッシュタグのつぶやきが表示されていくだけです。

副島 その印象は確かにあるかもしれません。

本田 視聴者数がまだ多くないこともあって、番組へのつぶやき自体が確実に少ないですからね。

副島 ソーシャルを標榜しておきながら、その定義が曖昧なのかもしれません。最初のコンセプト決めに関わっていた人間として思うのは、一般的なテレビ放送のように台本が用意されていて、完パケの番組が放送されていくような仕組みでは、ユーザーから投稿される意見を拾っていくのは難しいだろうということです。Twitterに投稿されつぶやきにすぐ反応できるような体制を作るためには、番組自体をそうした作りにしなければならないという面があります。

 例えばニコニコ生放送はそれができていて、ライブの番組を増やすなど、NOTTVでもそれを目指してますが、僕らの機動力がまだまだ足りない面があるでしょう。

 Twitterと放送の連動という意味では、NHKがあるアニメ番組の最終回(4:3の画面を想定した作品のため、16:9のワイド画面では余白ができる)を放送した際に、画面の右半分をTwitterの投稿にしたことがあったんです。

 いま放送されている番組に自分のツイートが流れるという点が当時はとても新鮮でした。自分が実際にやったことが目の前で流れている放送に反映されるとお客様に実感してもらうのが重要なポイントになるのではないかと思います。

 ニコニコ動画は、画面の上に文字を流すことで、自分たちがそのコンテンツに参加していると実感できることを発明しました。じゃあ、スマートフォンのNOTTVは、ソーシャルを使って何を発明できるのか。その問いに答えていかないとならないと思います。

── ほかに意見はありませんか?

参加者D 僕はモニターをしていないので的外れなことを言うかもしれませんが、スポーツのダイジェストが見られるといいかなと思いました。もちろん結果を知りたいだけならスポーツニュースを見ればいいんでしょうけど、そこにスマホならではの視点があれば面白いかなと。

副島 スポーツニュースというと、今はフジテレビさんの「プロ野球ニュース 2012」を流していますが、会社や学校に行った際、映像を含めて話題にできるような試合の結果と盛り上がったシーンが分かればいいかなという感じですかね?

参加者D NOTTVでしか楽しめないという要素を入れるとしたら、やはり映像かもしれません。テキストだけで十分ならウェブサイトを見た方が話が早いですから。ある程度スマホに詳しければ、情報を取捨選択できるアプリを知ってて使いこなしてる。そういうのをやらない、あるいはできないという人に、ソムリエのように情報をおすすめするというのがいい気がします。

副島 テキストで情報を見るなら、それこそネットの掲示板で十分じゃないかという意見も分かります。ただお話を聞く中で、チャンスがあるとしたら、そういう情報を集めるのも面倒くさい、なんにも考えなくても好みの情報が自分のところに集まってくれればいいという人に、NOTTVを使ってもらえる余地があるのかなと感じました。

本田 それこそ副島さんはNTTドコモ出身で、同じことをやっていましたからね。

副島 私はNOTTVを担当する前はNTTドコモで「iコンシェル」を担当していました。スマホ時代にこのようなサービスは「RSSリーダーがあるから、いらないんじゃないか」って意見もあったようなんですよ。

 ところが、ふたを開けてみたら、ひと手間かかることは実践しないというひとが意外に多いことが分かりました。つまり情報を集約してくれることに価値を見出す人がいる。(シフトタイムの仕組みや番組表の中からユーザーの趣向に合った番組をレコメンドすることで)「この中には自分が見たいものがピックアップされていて、しかも毎朝必ず整理されている」となれば、NOTTVに価値を見出してもらえるチャンスがあるのではないかと思っています。

 NOTTVでやり取りできる情報は映像に限りませんが、広い意味での情報を活用する手助けをする。

本田 情報の取捨選択も含めてNOTTVがやってくれる。ユーザーの趣向を反映するというだけではなく、場合によっては「著名人いいと言っている番組」や「これだけは最低チェックしておいてほしい情報」といった具合に、何かの意志によって集められた情報でも構わないということですね。

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