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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第90回

補聴器屋さんが作ったイヤホン「FitEar」が本気すぎる、という話

2012年03月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

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歯科技工から補聴器へ

―― このオーディオルームはまたすごいですね。

須山 補聴器もアナログからデジタルにシフトして10年くらいになるんですが、その出始めの頃に補聴器で音楽を楽しもうという、ミュージックモードのようなものが搭載されてきたんですね。

ALTEC A7にAMCRON PSA-2という組み合わせ。STUDERのオープンリールデッキまでありました

―― そんな機能が補聴器にもあったんですね。面白い。

須山 かつ補聴器を使われる年齢の方に、ジャズ・エイジの方が入ってきたんですね。それでアイキャッチというかマスコットのようなものとして、ジャズと言えばアルテックだろうと。

―― オーディオは昔からお好きだったんですか?

須山 いえ、オーディオについてはまるきり素人でした。このシステムも「アルテックだったらこの音じゃないだろう」と、アドバイスをいただいて。ただ昔から音楽は好きだったんです。いま私は41歳で、おそらくレコードを聴いていた最後くらいの世代なのかなと思いますが、生協のレコードフェアでエサ箱をあさってみたり、そんな学生時代でした。

※ 100~200円の安い盤を置いてあるレコード屋のコーナーの通称。

もともとワゴンをあさるほどの音楽好きだったという須山さん

―― 補聴器事業はなぜ始めたんですか?

須山 歯科技工からですね。入れ歯を作る会社を1958年に父が起こしまして。

―― 千葉にある須山歯研ですよね。

須山 はい。もう25年くらい前になるでしょうか。当時の日本フィリップスとソニーが補聴器事業を日本国内で始めるというタイミングで、OEMのお話をいただきまして。「シェル」と呼ばれる部分を、耳型を採ってプラスチックで作るんですが、そこにレシーバーやアンプを組み込んで補聴器にする。そういった受託生産から始まりました。

―― 歯科技工の技術はそのまま使えるわけですか?

須山 そうですね。型を採ったものから、プラスチック、金属、シリコン、そういったものに置き換える技術が私どもにはありました。材料も製作する技術も近い。私が会社に入って17年目くらいになるんですが、歯科技工というのは資格を取ってやるものなんです。だから、最初は会社に行きつつ学校にも通っていたんですが「お前はまだ資格はないから補聴器の方をやってみろ」と父から言われまして。それが聴覚や音について学ぶ機会にもなり、以来、補聴器専門になりました。

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