安定した読み書き性能で、自作ユーザーから高い信頼性を勝ち取ったPLEXTOR製SSDの新モデル「PX-M3」シリーズや「Intel SSD 520」シリーズなど、最強の座を狙うSSDが続々と登場している。そんな最速、最強の座を不動のものにするべく、ついにPLEXTORが最上位の新モデルを投入してきた。それが、PLEXTOR製SSD=最強説を打ち立てた最上位の「M2P」シリーズの正統後継モデルとなる「M3 Pro(M3P)」シリーズだ。
今回、編集部では性能と価格のバランスがよい容量256GBモデルをゲットできたので、同容量の「PX-256M2P」と性能を比較しつつ、「PX-256M3P」のパフォーマンスをじっくりとチェックしていこう。
さらに2011年8月の速度向上ファームウェアの登場以来、高いコストパフォーマンスと多数の使用者の口コミで、鉄板SSDのひとつになっているCrucial製「m4」シリーズや、最速クラスの読み書き性能と独自コントローラーが魅力のSAMSUNG製「SSD 830」シリーズなどの定番&旬なSSDとも性能を比べていくことにしたい。
シーケンシャル・ランダムアクセスともに
最上位の性能を備えるM3 Proシリーズ
M3 Proシリーズの容量は、128/256/512GBの3モデルで、シーケンシャルアクセスは、リードが最大540MB/sec(256GBモデル)とM2Pシリーズから40MB/secも向上。ライトは、M2Pの最大440MB/secから450MB/sec(512GBモデル)になっている。
同様にランダムアクセスも性能向上しており、リードは最大7万5000IOPS、ライトは最大6万8000IOPSとM2Pシリーズから、それぞれ最大5000IPOS、3000IOPSの高速化を果たしている。なお、キャッシュ容量は128GBがDDR3 256MBで、256/512GBがDDR3 512MBを搭載している。
PLEXTOR「PX-M3P(M3 Pro)シリーズ」スペック表 | |||
---|---|---|---|
型番 | PX-128M3P | PX-256M3P | PX-512M3P |
容量 | 128GB | 256GB | 512GB |
シーケンシャルリード(最大) | 535MB/sec | 540MB/sec | 535MB/sec |
シーケンシャルライト(最大) | 350MB/sec | 420MB/sec | 450MB/sec |
ランダムリード(4K QD32) | 7万5000IOPS | 7万5000IOPS | 5万6000IOPS |
ランダムライト(4K QD32) | 6万9000IOPS | 6万8000IOPS | 3万4000IOPS |
キャッシュ容量 | DDR3 256MB | DDR3 512MB | |
サイズ | 69.85(W)×100(D)×7(H)mm | ||
保証期間 | 5年間 | ||
実売価格 | 約2万円 | 約3万9000円 | 約6万円 |
速度面も重要なところだが、サイズと保証期間にも注目。M3 Proシリーズは、最新の薄型軽量ノートPCプラットフォームの「Ultrabook」に対応する厚さ7ミリ厚のケースをPLEXTOR製SSDで初めて採用。ノートPCユーザーだけでなく、省スペースなMini-ITX規格での自作ユーザーにもうれしい変更点だ。
さらに保証期間が3年から5年間へと大幅延長。これは、全品に行なわれる60度の高温状態での20時間エージング(老朽化テスト)や業界最小となる年間平均0.5%の障害(AFR)といった高品質なSSDを提供している自信の現れと言えるだろう。
参考までに、最もリードとライト性能のバランスが良い容量256GBモデルのスペックをM2P、M3、M3 Proシリーズで並べてみた。「PX-256M3P」は、シーケンシャルライト性能こそ「PX-256M2P」から20MB/secダウンしているが、ランダムアクセスは最上位モデルならではの性能になっている。
PLEXTOR「PX-256M2P/PX-256M3/PX-256M3P」スペック比較 | |||
---|---|---|---|
型番 | PX-256M2P | PX-256M3 | PX-256M3P |
シーケンシャルリード(最大) | 500MB/sec | 510MB/sec | 540MB/sec |
シーケンシャルライト(最大) | 440MB/sec | 360MB/sec | 420MB/sec |
ランダムリード(4K QD32) | 7万IOPS | 7万IOPS | 7万5000IOPS |
ランダムライト(4K QD32) | 6万5000IOPS | 6万5000IOPS | 6万8000IOPS |
キャッシュ容量 | DDR3 512MB | ||
7mm厚対応 | × | × | ○ |
保証期間 | 3年間 | 5年間 | 5年間 |
実売価格 | 約3万7000円 | 約3万3000円 | 約3万9000円 |
PLEXTORの超こだわりポイント!!
Marvellコントローラーと東芝製MLC NANDフラッシュを採用
M3 Proシリーズは、PLEXTOR製のSSDですっかりお馴染みとなったMarvell製コントローラーの「88SS9174」と、東芝製MLC NANDフラッシュの最強コンビを採用している。ただ、NANDフラッシュは、M2Pシリーズの32nm製造プロセス品からM3シリーズにも採用されている24nmプロセス品へと変更されている。製品特性を左右するチップ類の変更は、いきなりSandForce製コントローラーを採用してきた「Intel SSD 520」シリーズと違って、最小限になっているので安心と言える。
当然、PLEXTOR製SSD最強説を支えるポイントのひとつであるパフォーマンス低下や劣化などを自動的に防止する「Instant Restore」機能や長期間使用時も一貫した転送速度を維持する「Plextor True Speed Technology」といった性能と信頼性を保つ秀逸な独自機能(関連記事)を搭載するのは、これまでのモデルと同様だ。

この連載の記事
- 第405回 Socket AM5で活かせる次世代PCIe5.0 NVMe SSD「PG5NFZ」のパフォーマンスをチェック
- 第404回 3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【後編】
- 第403回 3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【前編】
- 第402回 ノートPC向けGeForce RTX 4090の実力を検証!Razer Blade 16レビュー
- 第401回 Core i5にEコア革命!Core i5-13500/13400&Core i3-13100レビュー
- 第400回 第13世代Core最強!? 数量限定の「Core i9-13900KS」の実力を試す
- 第399回 TDP 65Wになり扱いやすく!AMD「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」「Ryzen 5 7600」最速レビュー
- 第398回 DLSSで新世代のパワーを発揮! GeForce RTX 4070 Tiレビュー【後編】
- 第397回 799ドルのRX 7900 XTキラー!? GeForce RTX 4070 Tiレビュー【前編】
- 第396回 第13世代Core“K無し”速報レビュー!Core i9-13900/Core i7-13700編
- 第395回 Samsung SSD 990 PROの転送速度をインテル環境で計測してみた
- この連載の一覧へ