ここで紹介するのは、HDDをSSDに換装するネタだ。がっ、しかーし! フツーのWindows機のシステムドライブをSSD化する記事なんて山のようにあるので、今回はMacとWindowsをデュアルブートしているような特異な人に向けた換装を紹介しよう。
出版業界やグラフィック、音楽関係にもMacを使っている人も多いが、すべてをMacでこなす人はほとんど皆無。だって仕事しているとどーしてもExcel使わなきゃならないし、Macだと高いお金を払わないと買えないソフトが、Windowsだと優秀なフリーウェアとしてたくさんリリースされてんだもん。
そこで問題になるのが、MacとWindowsの切り替えだ。シャットダウンやOS起動時は、みなさんよくご存知の通りHDDアクセスランプが光りっぱなしで、大小さまざまなファイルが読み書きされる。それゆえシステムドライブがHDDだと、カリカリとディスクがうるさく回り、切り換えに超時間がかかる。
ならばHDDをSSDに換装したら、もしかしてスゲー速くなるんじゃね?という目論見で、実際にやってみよう!というワケだ。いわば自分の救済企画。
今回使うSSDは、PLEXTORのM3 Pro。容量は怒涛の512GBなので、ディスクを1台しか入れられないノート機にとっては頼りになるヤツだ。しかも「まじヤバイぐらい超速ぇーっ!」ってASCII.jpライターの藤田氏ご推薦の逸品だ。詳しいスペックについては、「SSD買うなら「PX-M3P」で決まり! プレクの新型はマジヤバイ」っていう、推薦したご本人の記事を参照してもらいたい。
「512GBは高いなぁ」という場合は、シリーズとしてラインナップされている64GB、128GB、256GBもある。とはいえ、デュアルブートだと512GBモデルがオススメ。Windowsだけという場合は、128GBや256GBモデルでもいいだろう。
マルチブートこそSSD化すべきである!
っつーか、しろっ!
出版関係の仕事をしていると、どうしてもMacが必要になる。長年ゲイツ様の御心(みこころ)のままにMS-DOS 2.11からWindows 7に至るまで、マイクロソフト製品を愛用している俺にとって、Macを持つのはかなり屈辱的だ。いや凌辱的?
なぜなら、雑誌の仕事はどんなに余裕があっても、なぜか印刷屋さんに入稿するのは何時間単位で〆切ギリギリになり、その場で使うのがMacだからだ。
印刷屋さんに突っ込むデータは、たいていMacを使わなきゃならん。そこで編集者や編集長が入れた、どーでもいい赤字(修正のこと)や、突如大人の事情で文章や写真がまるまる変更になった場合は「うぉ~~っ! 今晩中に修正して印刷屋さんに突っ込まネーと雑誌に穴開くぞ!」と必死になってMacで修正するのだ。俺にとってMacを使っているときは、非常にヤバイ時であり、ある種のトラウマで陵辱されているときに他ならない。
いや、アスキー・メディアワークスの雑誌がそうってワケじゃないが、そーってことも、あるようなないような……。ここだけの話だが、雑誌ってのはだいたいそんなモンなのだ(超大手の出版社でもね)。
そこで必要になるのが、MacにWindowsをインストールできるBootCampをはじめとしたマルチブートマシンだ。家で作業するのは使い慣れたWindows環境。画像も文章もすべてWindowsで作業しているが、印刷屋さんに突っ込む入稿日に限っては、MacBook Proを使ってWindowsとMacな環境を持ち歩き、編集部でも印刷所のタコ部屋(本当にあります! 何度もお世話になりました……)でも作業をできる体制にしている。
が!前述の通り、MacとWindowsの切り替えは非常に遅い。Macで作業してて、この表は差し替えだからExcelに戻って表を作り直して云々、画像を修正しなきゃならないからWindowsのPhotoshop(お金がないのでPhotoshopとIllustlatorはWindowsだけに入ってる)に戻ってウンヌンやってると、OSの切り替えでブチキレそうになるのだ。グラフィックや音楽関係者もおそらく同じ思いをしている人が多いだろう。
さてマルチブートで忘れちゃならないのは、Linux系とWindowsを入れている人。でもこの人たちはMacユーザーと違って、かたくなにLinuxでなんでもやろうとするので(まぁ、アンチWindowsユーザーが多いし、ソフトがないと自分で作っちゃう人が多いからなぁ)、HDDからSSDの換装は強制しない。「やりたい人は、お好きにドーゾ」なのである。
