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買収したアスタロのUTMもソフォスから登場

UTMもMDMも!ソフォス、全方位のセキュリティ製品を展開

2012年01月19日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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1月18日、ソフォスは新製品発表会を行ない、昨年の7月に買収したアスタロの統合やモバイルデバイス管理(MDM)や最新エンドポイントセキュリティ製品などの概要や販売戦略を明らかにした。

アスタロの買収でネットワーク分野も網羅

 ソフォス 営業・マーケティング本部長 執行役員 牛込秀樹氏は、包括的なセキュリティを提供する同社の「Complete Security(統合された脅威対策)」について解説した。牛込氏は、昨年は標的型攻撃が大きな話題となったが、デバイスやデータの利用形態が多様化していることで、ますます対策が難しくなっていると説明。また、スパムメールの減少と共に、マルウェアに感染したサイトが増えた調査報告を元に、「マルウェアがなくなったわけではなく、感染対象が変わっただけ」(牛込氏)と指摘した。

ソフォス 営業・マーケティング本部長 執行役員 牛込秀樹氏

 こうした中、ソフォスでは、エンドポイントやモバイルデバイスのセキュリティ対策製品を提供するほか、2011年7月のアスタロ(Astaro)の買収により、ネットワーク領域でのセキュリティもカバーしたと説明する。

 ソフォスが買収したアスタロはドイツのセキュリティベンダーで、オープンソースのソフトウェアをベースにしたUTM「Astaro Security Gateway」を展開している。60カ国5万サイトで導入実績があるとのことで、2006年には日本法人も設立されている。牛込氏は、仮想アプライアンスも含めた幅広いラインナップや、支店と本社を仮想Ethernetで接続することで実現する統合的な管理など、Astaro Security Gatewayのメリットをアピールした。

本社から支店までを統合管理できるAstaro Security Gatewayのメリット

 2012年は、ソフォスのアンチマルウェア、EメールエンジンをAstaro Security Gatewayに搭載していくほか、設定管理用GUIの統合などを実現していく。また、将来的にはアプリケーションコントロール、暗号化、ファイアウォールの統合なども図っていくとのこと。「UTMはトラフィックが増えるとスループットが落ちてしまう弱点があるが、統合により、ゲートウェイとエンドポイントで処理を分散することでトータルなスループットを上げることを検討している」(牛込氏)。

Webフィルタリングやパッチ管理を実装したエンドポイント

 後半はソフォス マーケティングマネージャーの平野祐司氏がMDM製品である「Sophos Mobile Control 2.0」とエンドポイントセキュリティ製品の最新版「Sophos Endpoint Protection 10」を紹介した。

ソフォス マーケティングマネージャーの平野祐司氏

 Sophos Mobile Controlはスマートフォンやタブレット端末を管理するMDMで、盗難・紛失デバイスの管理、アプリケーションの管理、Exchangeへのアクセス制御などが可能になっている。対応デバイスは、iOS、Android 2.2/2.3/2.4や3.x、BlackBerry、Windows Mobile 6.xなど。最新の2.0では、従業員向けのセルフサービスポータルや独自アプリケーションの追加、コンプライアンス遵守の徹底などの機能が追加されている。

 また、Sophos Endpoint Protectionはアンチウイルスや暗号化、情報漏えい対策、アプリケーション管理などを統合したエンドポイントセキュリティ製品。当日付で発表されたSophos Endpoint Protection 10では、不正なサイト、危険なサイトへのアクセスを防ぐ「Webプロテクション」、クライアントの脆弱性を埋めるためのパッチ適用を効率化する「パッチアセスメント」、ポリシーによるHDDの暗号化管理などの機能が追加されたという。

エンドポイントのライセンス体系と機能の違い

 なお、エンドポイント製品は製品名自体やライセンス体系も一部変更した。英語で長かった製品名を「Endpoint Security」に変更し、機能にあわせて「Basic」、「Advanced」、「Enterprise」の3つのライセンスを用意したという。EnterpriseではWebプロテクション、パッチアセスメント、データ保護などの新機能が含まれているが、Advancedはアドオンとして購入する必要がある。低価格なBasicはマルウェア対策とデバイスコントロールの機能のみ提供する。

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