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新社長に就任した纐纈氏が「3つの軸」で日本市場戦略を語る

2015年のソフォス、新UTMやパートナー強化で「30%成長を」

2014年04月07日 06時00分更新

文● 谷崎朋子

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 4月3日、ソフォスが2015年度の事業戦略説明会を開催し、3月1日付で日本法人の新社長に就任した纐纈昌嗣(こうけつ まさつぐ)氏が事業戦略を語った。今後、新規パートナープログラムを立ち上げ、事業目標の共有や人材育成を含めた連携強化を図り、UTMアプライアンスの提供開始などの施策で市場拡大を目指す。

パートナー施策強化とUTM製品への注力で新年度をスタート

 ソフォスの2015年度の日本市場戦略は、3つの軸で展開する。

 1つは、パートナープログラムを新規に設立し、チャネルビジネスを中心とした事業モデルへ方向転換を図ることだ。

 2015年度の最重要課題に「Channel First」を据える同社は、これまで大企業中心にハイタッチ営業を行ってきた。日本法人でも、法人設立以前からソフォス製品を扱っていたディストリビュータとはパートナー提携しているものの、「ハイタッチ営業が案件を獲得してからパートナー企業が入ってくる形。これではパートナー自身の成長につながらない」。前職でのチャネル網構築の経験とノウハウを買われ、新社長に就任した纐纈昌嗣氏はそう明かす。

ソフォス 代表取締役社長 纐纈昌嗣氏

 5月連休明けに発表予定の新パートナープログラムでは、販売パートナーとソリューションパートナーに対して技術者や営業要員の育成支援、販売/マーケティング/技術協力、リベートプログラムなどを提供する。また、ソリューションパートナーは現在の6社から12社に拡大するほか、販売店ネットワークの構築で販売店を「目標50社」に増やす方針だ。

新パートナープログラムの概要

 2つめは、ネットワークセキュリティ事業部の新設だ。これまではOEMとして展開しており、日本では1万台ほどに供給されている。「今後は、ソフォスブランドのUTMアプライアンスを提供していく。売上は、販売店ネットワーク構築により2014年度に対して50%増をめざし、今年中には販売店を20社まで開拓したい」(纐纈氏)

 そして、3つ目はUTMアプライアンスの投入を通じて、SMB(中小企業)にも最適なセキュリティソリューションを展開することだ。

 なお、同社は2011年、現在のUTM製品のベースとなったUTMベンダーAstaroを買収、2014年にはUTMベンダーCyberoamを買収した。「いずれもLinuxベースで相性も良く、今後は統合して競争力のあるオープンソースのUTMアプライアンスを開発する予定だ」(纐纈氏)。

 製品としては、引き続きサーバーセキュリティ製品「Sophos Server Protection」、「Sophos UTM」、「Sophos Cloud」に注力。特に「日本でのUTM展開はソフォスにとって大事なカギ」と話す纐纈氏は、数百台を集中管理できるUTMはほかにないと強調、中小企業にも手の届くソリューション提供に力を入れるとした。

 また、Sophos Cloudについても、これまでソフトウェアで展開していた機能をクラウド展開する流れだったものを、「まずはクラウドから新機能を提供する製品戦略に変更する」という。これも、中小企業市場の開拓を促進するキーワードとなる。

ソフォスのセキュリティソリューション全体像

 「ソフォスには、ネットワークからサーバー、デバイスまで、幅広いプラットフォームに対応した包括的なソリューションを1社で提供できる強みがある。その強みを活かし、さらにはパートナーとの新規市場の開拓や新UTMアプライアンスによる新規顧客の開拓で、今年は30%成長を目指したい」(纐纈氏)。

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