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週刊 PC&周辺機器レビュー 第124回

USB 3.0対応で動画もゲームも滑らか表示 USB-RGB3/D

2011年12月02日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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フルHD動画も余裕のコマ落ちなし!
なんとゲームもフルHDで60fps?

 売りであるパフォーマンスを見てみよう。まずごく普通にWindows 7を使う限り、それがUSBを経由しているという感覚はまったく感じない。1080pのAVCHD動画をWindows Media Playerを使ってフルHDの全画面表示をしてみたが、コマ落ちは一切なく滑らかな再生を実現していた。

 ただし、グラフィックスカード(今回はGeForce GTX 580)からDVI経由でつないだメインディスプレー側に表示するのと比べると、CPU負荷は高い。メイン側で1080p動画をフルHDの全画面に表示した場合のCPU負荷は10%程度(負荷のかかっているCPUコアのみ)。それに対してUSB-RGB3/D側は、30%台後半程度の負荷が持続的にかかっていた。テスト環境のCPU性能(Core i7-940 2.93GHz)を考えると、なかなか馬鹿にできない負荷だ。CPU性能の低いCeleronやPentiumクラスでは、かなりの負荷がかかる可能性がある。

CPU負荷を表示するWindowsガジェットで監視した、USB-RGB3/D側での1080p動画再生時の負荷。4論理コアのみとはいえ、40%弱の負荷が持続的にかかっていた

 一般的な使用法ではないだろうが、3Dゲームの表示も試してみた。USB-RGB3/D側のコントローラーをターゲットGPUとしてテストできるようなベンチマークプログラムがなかったので、実際の表示手順としては以下のようになると思われる。

  • メイン側GPU(GeForce GTX 580)でゲーム画面をレンダリング
  • OS側のDWM(デスクトップウインドウマネージャー)が、ウインドウ内に表示するゲーム画面をUSB-RGB3/D側ビデオメモリーに転送
  • USB-RGB3/D側で合成して表示

 レンダリングはメイン側の強力なGPUで行なうが、表示の際にはそれをUSB-RGB3/Dに転送するというかなりの手間が入るので、およそ使い物にならないように思える。ところが意外や意外、FPSゲームや3Dグラフィックスベンチマークの表示は、メイン側で表示するのと遜色ない滑らかさで、コマ落ちもなく表示されるものだから驚いた。

USB-RGB3/Dにつないだディスプレー(右)でFPS「Battlefield 3」をプレイ中の様子。Frapsで監視していたが、USB側だからといってフレームレートが落ちる様子はなく、DVI接続のディスプレーと変わらない印象

 フレームレートやコマ落ちは感じられなかったし、画質が悪くなることもない。表示遅延もFPSで遊ぶ程度では感じなかった(タイミングに極めてシビアなゲームなら、もしかしたら遅延を感じるかもしれないが)。USB経由という特殊な接続で表示されているとは思えない。ゲームの例はいささか特殊だとは思うが、USB 3.0経由のUSB-RGB3/Dなら、パフォーマンス面でのデメリットはほとんど感じないですむようだ。

 拡張性に富んだタワー型デスクトップならともかく、ノートパソコンでは本体+外付けの2画面表示が精一杯というのが一般的。特に今後、スレートPCやUltrabookのようにディスプレー出力端子さえ限定されたパソコンが増えてくると、本体だけでマルチディスプレー環境を作るのは難しくなってくるかもしれない。その点、汎用的なUSB 3.0で接続できるUSB-RGB3/Dは、多画面環境を手軽に作るのに役立つデバイスとなる。

 また、USB 2.0接続までのUSB-RGB/D2と価格差を比べても、USB-RGB/D2が9500円なのに対して、USB-RGB3/Dは1万600円と、1000円程度の価格差しかない(いずれも同社直販価格の場合)。現在はUSB 2.0を搭載するパソコンしかないとしても、将来USB 3.0搭載パソコンを手入れたときに、USB-RGB3/Dならそのまま使えてパフォーマンスも向上する。そう考えると、USB 3.0がない現状で買っても、損にはならないデバイスと言えるだろう。

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