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ミクZ4、3年目の本気! SUPER GT激闘記 第42回

日本最速の歌姫が誕生!

天使のミクさんが女王に!ミクZ4、GT300でついに頂点へ!

2011年10月20日 22時14分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●撮影/鉄谷康博、加藤智充、編集部

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GT300の頂点に立ったが
夢はまだ終わらない!

 シリーズリーダーとして最終戦に臨んだJIMゲイナー 458と、それを追いかける形となったミクZ4。今回の戦い、いや、シーズンを通して明暗を分けた理由はハッキリしている。チームの総合力やクルマのポテンシャルは、JIMゲイナーとミクチームではJIMゲイナーに軍配が上がるだろう。ミクチームは毎年体制が変わっているが、JIMゲイナーは10年以上GTで戦っているだけでなく、ル・マン24時間レースにも参戦している名門。では、そんなチームに勝てた理由とは、ズバリ!

個人スポンサーやファンの存在だ。

今回の応援シートは過去最高の動員数だった。来年も一緒に盛り上がりたい!

応援シートの購入に間に合わなかった人たちは、無料の応援エリアが開放されていたので、そちらで観戦したようだ。ビッグフラッグ隊の人たちもそちらで懸命に旗を振っていた

 もちろんJIMゲイナーにもファンは多く存在する。だがしかし、1万6056人もの個人スポンサーからの後押しや、150人もの応援シートからの声援はない。チーム力+α。これが最終戦の流れを変えたと断言したい。パソコンやテレビの前から、アキバのパブリックビューイングから、もてぎのどこかから、そして応援シートから。日本全国、いや世界中のミクファンからの声援が、ミクチームに流れを引き寄せた。オートポリスでは確実にJIMゲイナーに流れはあった。あの谷口選手をして「もてぎは厳しいかも」と言わせるほどに。予選日は雨が降ったが、ヨコハマのタイヤがバッチリ決まってフリー走行から好タイムを連発。今思えば、すでにあの時点からミクチームへと気まぐれな勝利の女神が向く先は変わっていたのだろう。

 大橋監督や右京SDの采配、谷口選手と番場選手の好走、ヨコハマのタイヤ、BMW Z4の戦闘力。これだけでもかなり良い勝負になっていたと思う。しかし、ここに初音ミクという象徴、ミクやチームを応援するファンの熱い声援が加わって、初めて日本最高峰レースの頂点へ駆け上ることができたのだ。真夏にBMW Z4が初音ミクの痛車になってから4シーズン目。チームの運営や個人スポンサーシステムなど、手探りの状態でイチから始めたプライベーターのレーシングチームが、ついに日本一になった。これまでの道のりを鈴木代表は「本当に長かった」と語った。BMW命の鈴木代表にすれば、BMWがテールエンダーなんて許されるはずもなく、ましてやライバルであるポルシェを使ったときも複雑な心境だったのだろう。髀肉の嘆を託ちながらも、諦めずに参戦し続けた。鈴木代表だけでなく、チームが、ファンが夢を諦めなかったからここまで来れたのだ。すべてのファンが誇れる勝利だった。

 さて、谷口選手のドライバー人生10年目、そしてGTでの輸入車チャンピオン15年ぶりと、何かとメモリアルになったミクZ4のシリーズチャンピオン。安藝社長や大橋監督は「まだ何も決まってないけど、来年もやりたい」と意欲的だ。

 最高の結果で終わった2011シーズン。夢は叶ったが、今度はミクさんがどこまで登り詰められるのか、来年以降もミクGTプロジェクトが大いに暴れてくれることを願いたい。みんなの夢はまだまだ終わらない!

完走。

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