ThinkPad X1開発者インタビュー
開発陣に聞く ThinkPad X1が「ThinkPad」である理由
2011年09月08日 12時00分更新
田保「アイソレーションタイプのキーになり、いままでに比べるとキートップは若干小さくなりましたが、変更されたのは配列と形状だけです。タイプ感などについての基準は変えていません。ユーザーからも『打ちやすい』との評価をいただいています」
土居「例えば女性の方からは、『ネイルが長い際にはより打ちやすくなった』との評価をいただいています。6列の配列についても、日本市場以外では大きな抵抗はないようです」
X1は「薄いくさび形」であるのが特徴だ。それを実現する上で大きなポイントとなったのが、ディスプレー面を覆うゴリラガラスの採用だ。このことは、美観だけでなく、本体の剛性を高めるためにもプラスとなったという。
土居「元々は、見た目のためにガラスを採用しました。ある程度コンシューマーに近いニーズを意識して、『画面を明るくきれいなものにしたい』という発想から、明るめのディスプレーを採用しています。磨りガラス的なものやアンチグレアのディスプレーも検討しましたが、写真を見るうえでのクリアさを重視し、こちらを採用しました」
「とはいえ、硬いゴリラガラスを採用したことで、X1はかなり堅牢になりました。具体的な数字は申し上げられませんが、通常のThinkPadの1.5倍から2倍という数字も出ています」
田保「ガラスというと弱いイメージがあるかも知れませんが、ゴリラガラスのように強化されたガラスの場合には、上手く使うと金属よりも硬くなるくらいです。結果的に、ディスプレー面とボディー全体、両方が強くなっています」
「本体を薄くすると(強度は)当然弱くなります。また熱の問題もあります。今回はマグネシウム合金を使っていますが、ボディーだけでなく、液晶ディスプレー側のカバーもマグネシウム合金にしました」
土居「ボディーと液晶側が、それぞれ貝殻を合わせたような構造になって、より強くなるのです」
田保「特に考えたのは、お客様が使っている中で弱くなっていかない、ということです」
「液晶ディスプレーが薄くなると、お客様は片手で開け閉めすることが増えます。この時には片側を持つことが多くなりますから、パネル側にひねりの力が加わる。これが長期的に続くと、パネル部にストレスがかかることがあり得えます。それによる破損が絶対起きないようにしたかったのです」
「X1ではひねり強度を強くしたというよりも、パネル部の剛性を高めた、と言った方が正確でしょうか。ガラスの硬度も大切ですが、そこにマグネシウムのフレームを組み合わせることで、十分な強度を実現できました」
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