今回テストするのは、レノボの「ThinkPad X1 Carbon」(以下X1 Carbon)だ。X1シリーズは、ThinkPadの中でもコンシューマー指向というか「とんがった」人向けの製品だが、Ultrabookとして提供されるX1 Carbonも、その方向性は変わっていない。
「ThinkPad史上最薄」「ビジネスでのクリエイティビティにこだわった」とレノボの言うX1 Carbonの実力はいかに。ThinkPadブランドのUltrabookは、他の製品とどう違うものに仕上がっているのだろうか。
ディスプレーを大型にしつつ
重さもサイズも一回りシェイプアップ!
X1 Carbonは、率直に言って「ThinkPad X1」にかなり近い印象のデザインに仕上がっている。そもそもX1がくさび形をモチーフとした、ThinkPadとしては異色のデザインであったので、そのテイストがそのまま使われているのは当然ともいえる。
だがディテールを比較すると、そして全体の使い勝手を見ると、あれだけ薄さにこだわっていたX1が「実はまだ研ぎ足りない」製品であったかのように感じるほど、ギュッと凝縮されたシェイプになっている。
X1 Carbonは、ディスプレーに14型/1600×900ドットの液晶パネルを採用している。X1が13.3型であったから、一回り大きくなったことになる。だが、本体の横幅はさらに小さくなっている。X1では337mmであったものが、X1 Carbonでは331mmとなり、ディスプレーの枠はかなり狭くなった印象を受ける。奥行きも約4.9mm、厚みも最厚部で約2.5mm小さくなっていて、同じテイストでありながら、1サイズ圧縮されたような印象になっている。それでいてディスプレーサイズは上がってるのだから、すべての面でプラス、といえる。
重量も同様だ。X1は1.69kgと、大きさなりの重さがあった。だがX1 Carbonは1.36kgで、ぐっとモバイルノートらしい重量になった。14型クラスのディスプレーを搭載した製品であり、後述するようにバッテリーも大容量を搭載していることを思えば、相当に「攻めた」モデルになっていると言える。

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