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使えばわかる!IPv6入門第8回

老舗のIPv6サービスを使ってみよう

NVR500でフレッツ・ドットネットに接続する

2011年07月12日 06時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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NVR500の設定

 今回も、「現在よくあるIPv4のインターネット接続環境」すなわち「ルーターのNAT(ネットワークアドレス変換)機能を使った、IPv4でのインターネット接続環境」からフレッツ・ドットネットを利用してみる。この場合、ルーターには、

  1. PPPoEマルチセッション機能
  2. IPv6ブリッジ機能
  3. Proxy DNSのIPv6用DNSレコードへの対応

が必須だ。

 これらに対応したルーターは、NTT東日本の「フレッツ公式ページ」の「対応ルーター」にリストアップされている。ここでは、2011年5月25日時点で上記のリストには掲載されていないが、必須機能をフルに実装したヤマハのブロードバンドルーター NVR500を利用してみよう。

 フレッツ・ドットネットの申し込みには、まず、フレッツ・スクウェアに接続する。NVR500でフレッツ・スクウェアに接続するための設定内容は、NVR500の取扱説明書(添付CD-ROMまたはヤマハのサイトにある Users.pdf)の203ページに記載されている。

 ただし、このページの「ご注意」という項目にも書いてある通り、マニュアルの記載内容に加えて、フレッツ・スクウェア用のルーティング情報を追加しなければならない。その情報は、フレッツ・スクウェアの「ルーティングアドレス情報」に記載されている。NVR500でルーティング情報を追加するには、Webセットアップのトップページから「詳細設定と情報」→「コマンドの実行」を開いて、画面1のようにコマンドを実行する。なお、画面1のルーティング情報は、2011年5月25日時点のものである。

画面1  NVR500へフレッツ・スクウェア用のルーティング情報を追加する

 次に、NVR500でフレッツ・ドットネットに接続するための設定だ。これは、NVR500のマニュアルには記載されていない。また、以前はヤマハのサイトにRT57iの設定方法のページがあり、それをそのまま流用できたのだが、2011年5月25日時点で消えてしまっている。いちおう、以下の設定で動いているので、それを真似してほしい。

 Webセットアップのトップページから「詳細設定と情報」→「IPv6の設定」を開いて、「IPv6 プレフィックスの設定」で「RAを受信する」を選ぶ。また、「経路情報の送信設定」は「経路情報を送受信しない」、「IPv6ファイアウォール機能の設定」は「セキュリティレベル2:フィルタありを選ぶ(画面2)。

画面2 NVR500へフレッツ・ドットネット接続用のIPv6の設定を行う

 そのほかの項目は。デフォルトのままだ。「IPv6 DNSサーバーの設定」は、「DHCP-PD機能により自動で設定する。もしくは設定しない。」で、「IPv6接続環境の設定」は「ネイティブ接続またはデュアル・スタック接続」に、そして「IPv6マルチキャストの設定」はチェックしない状態だ。この操作は、コンソールからコマンドを入力する方法もある(コマンド1)。

リスト1  NVR500のフレッツ・ドットネット接続用のコンソールコマンド
# ipv6 prefix 1 ra-prefix@lan2::/64
# ipv6 lan1 prefix ra-prefix@lan2::/64
# ipv6 lan1 rtadv send 1
# ipv6 lan2 rip send off
# ipv6 lan2 rip receive off
 設定が終わったら、「flets.netサイト」にアクセスして、正しく表示されることを確認する。画面3が表示されれば、NVR500のフレッツ・ドットネット接続用の設定は正しく終了している。なお、NVR500のフレッツ・ドットネット接続用の設定は、フレッツ・スクウェアv6(フレッツ・スクウェアのIPv6版)に接続するための設定と、まったく同じである。

画面3 「flets.netサイト」。今回は Google Chrome を利用してみた。

フレッツ・ドットネットの仕組み

 フレッツ・ドットネットを申し込むと、アクセス回線ごとに、IPv6のネットワークプレフィックス(IPアドレスの上位64ビット)が設定される。第1回で説明した通り、IPアドレスの下位64ビットは、PC側で自動的に設定される。フレッツ・ドットネットに接続したPCは、最終的にはこのアドレスを始点または終点としたパケットを処理している。

 IPv6アドレスは128ビットもあるので、ユーザーが直接扱うのは大変だ。そこで提供されるのが「FLET'S.Netネーム(FdNネーム)」である。固有の名称が付いているので特別な機能だと思うかもしれないが、要するに「ドメイン名で修飾されたホストの名前(FQDN)」だ。

 FdNネームを登録すると、NTT東日本が運用するフレッツ・ドットネットのDNSサーバーに、ユーザーのFdNネームとIPv6アドレスが登録される(画面4)。

画面4 FdNネームの設定状況

 フレッツ・ドットネットの専用ソフト「FLET'S.Netメッセンジャー」は、起動時にPCに割り当てられたIPv6アドレスからFdNネームを取得する。それから、取得したFdNネームをキーにして、フレッツ・ドットネットのサーバー内にある共有ファイルを検索したり、蓄積されたメッセージをサーバーから取得する。自動構成されたIPv6アドレスを起点としてサーバー内のデータ検索までが自動化され、操作の簡易化が図られている。つまり、

IPv6アドレス → FdNネーム → サービスユーザー名

の順で、自動的にサービスに必要な名前(IDまたはキー)が解決される。専用ソフト「FLET'S.Netメッセンジャー」の動作は、「ユーザー」ではなく「PCのIPv6アドレス」に基づいていることに注意しよう。

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