痛車でラリー！　メロンブックスインテ2年目の挑戦 第3回

メロンインテ、初戦の唐津は大逆転優勝！

まさかの大逆転勝利！
メロンインテ、初戦を優勝で締めくくる！

　ヘッドクオーターの中から聞こえてきた無線の声が、にわかには信じられないような状況を伝えていた。

「SS8、ゼッケン14のS2000がデフトラブルによりコース上にストップしている」

　最初は聞き間違いかと思った。20秒以上のマージンを築いて、あとはフィニッシュまで走りきるだけで優勝が転がり込んでくるはずのトップが、まさかここでリタイヤするとはまったく予想外だった。われわれとしても、今回はほぼ勝負は決まったものと思い込んでいたのだ。

　だが、ゼッケン14がコースをふさいだことでSS8がディレイされる（いずれかのマシンがコース上でストップして競技が中断した場合、後続のゼッケンはその時点での最遅タイムを与えられた上で、そのSSを通過する措置）という報告が聞こえてくると、ようやく事実を受け止めることができたのだ。やった──!!　ついに、ついにメロン号が逆転トップだ!!

ヘッドクオーター横にある公式掲示板。ここには各SSのタイムなど、主催者側からの情報が逐一掲示される。まさかここで、あの奇跡のような瞬間に遭遇するとは……！

　そしてメロン号は、残る観客向けのショートステージである2本のSS「肥前」を走りぬけ、無事に松浦河畔公園のフィニッシュまで帰還したのだった。SS1でスピンの末に絶望的なビハインドを背負い、最下位からのスタートを余儀なくされたメロン号。誰もが今回の敗戦を予想していたに違いない。だが、誰がこんな大逆転劇を見ることになると予想していただろうか！

ギャラリーステージの会場は、唐津市の西にある小さなダム湖。湖岸を走る周回路がコースとなっているのだ

コースとの距離はこんなにも近い。手が触れられるほどの目の前を、ラリーマシンが全開で駆け抜けていく。この迫力こそラリー観戦の魅力のひとつ

　こうして全日本ラリー選手権開幕戦で逆転優勝をとげ、2011年シーズンを最高の形で迎えたメロンブックスラリーチャレンジ。今回の勝利でシリーズポイント15（イベントポイント10、デイポイント2＋3）をゲットして、ライバル達よりも大きな一歩を踏み出すことができた。

奇跡の大逆転で、松浦河畔公園へと帰ってきたメロン号。サポートしてくれたメカニックたちとがっちり握手を交わす。SRS金子社長も満面の笑みだ

事情により田中選手は先に会場を離れたため、眞貝選手とともに筆者が代理として表彰台へ。ここに立つのも本当に久しぶりだ

　次戦は4月29～5月1日に開催される第2戦「久万高原ラリー2011」。今シーズン初のグラベルイベントがメロン号を待ち受ける。シーズンオフに、主にグラベル性能のアップに集中してきたチームは、四国の最高所で開催される山岳ラリーで、その最初の試練を迎えることになる。

（次ページへ続く）