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痛車でラリー! メロンブックスインテ2年目の挑戦 第3回

メロンインテ、初戦の唐津は大逆転優勝!

2011年04月18日 22時32分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義、MRCサポーターズ

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チームが下した決断は
吉と出るか凶と出るか!?

 ここで、チームはひとつのギャンブルに出た。他チームのマシンのタイムと比較してみると、このまま順調にステージを刻んでいけばクラス2~3番手あたりまで浮上することは可能だろう。問題は、明日のデイ2でどれだけのスピードを発揮できるか、だ。

 今年の全日本ラリー選手権は、「デイポイント」という新たなポイントシステムが導入されていた。これは各デイごとにタイムを集計し、その日の1~3位の選手にそれぞれ3、2、1ポイントのボーナスポイントを与えるというものだ。つまりイベントポイントに各デイのデイポイントが加算されたものが、最終的な獲得ポイントとなる。たとえ優勝を逃しても、デイポイントを稼ぐことで損失を最小限に抑えることができるわけだ。

 今回のイベントで使用できるタイヤの上限は10本で、すでに4本が使用済み。このサービスAでタイヤをすべて交換してしまうと、明日のデイ2で使用できるタイヤは2本のみとなってしまう。もしパンクなどで不意の交換が挟まれば、明日はタイヤが一切交換できなくなるのだ。

 チームは、サービスAでタイヤ交換をせず、デイ1後半セクションもそのまま走らせることに決めた。デイ2で確実に3ポイントを稼ぐために、フレッシュタイヤ4本を切り札として残しておくことにしたのだ。恐らく、明日の戦いは秒差を争う接戦となる。そのときに新品タイヤを履いていることは大きな武器になるし、さらにはプッシュを続けることで、あるいはトップのS2000に何らかのミスを誘うことができるかもしれない。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/林ノ上 II
(4.16km)
3:21.9(TOP)22:16.4(+23.4)
SS5/三方 II
(6.86km)
5:52.8(TOP)28:09.2(+22.1)
SS6/白木々場 II
(8.99km)
8:50.3(+4.0)36:59.5(+26.1)

 デイ1後半セクション、SS4「林ノ上Ⅱ」でベストタイムを奪取して3番手に浮上! 続くSS5「三方Ⅱ」でも連続ベストを奪ったメロン号は、トップとの差を22.1秒まで縮めてきた。だが、メロン号の追い上げを知ったS2000はSS6「白木々場Ⅱ」でチャージをかけ、使い古したタイヤのメロン号はそれに追いつくことができない。だがベストタイムこそ逃したものの、ついにメロン号は最下位から2番手まで大きくジャンプアップして、この日最終のサービスBに戻ってきた!

激闘の末、メロン号はサービスBに帰還。このサービスは1時間の枠が設けられていて、車両保管前にできる限りの補修を施す。眞貝選手によるとハンドリングに違和感があるとのことで、再度アライメントをチェックした

総合優勝候補のランサーだったが、ミッショントラブルによりデイ1をリタイヤ。しかし明日のデイ2で3位以内に入ればデイポイントが手に入るため、なんとか再出走させるためミッション交換を行なっていた

 一時は最下位に転落し、もはや勝利は絶望的と思われていたメロン号。ついに、トップを行くS2000の後塵が見える位置まで追いついてきた。だが、その差は依然として26.1秒の大差。さらに3番手の曽根崇仁/桝谷知彦組のセリカとは、いまだ3.8秒の僅差でしかない。明日のデイ2、どちらも猛烈なスパートをかけて勝負を挑んでくるはずだ。

 メロン号の採るべき手はただひとつ、他を上回る猛チャージをかけて攻めること。そのためにタイヤを1日通して交換せず、フレッシュタイヤ4本の使用枠を温存してきたのだ。あとは後続を引き離し、そしてチャンスがあれば一撃でトップの首を撃ち落とすのみ!

(次ページへ続く)

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