チームが下した決断は
吉と出るか凶と出るか!?
ここで、チームはひとつのギャンブルに出た。他チームのマシンのタイムと比較してみると、このまま順調にステージを刻んでいけばクラス2~3番手あたりまで浮上することは可能だろう。問題は、明日のデイ2でどれだけのスピードを発揮できるか、だ。
今年の全日本ラリー選手権は、「デイポイント」という新たなポイントシステムが導入されていた。これは各デイごとにタイムを集計し、その日の1~3位の選手にそれぞれ3、2、1ポイントのボーナスポイントを与えるというものだ。つまりイベントポイントに各デイのデイポイントが加算されたものが、最終的な獲得ポイントとなる。たとえ優勝を逃しても、デイポイントを稼ぐことで損失を最小限に抑えることができるわけだ。
今回のイベントで使用できるタイヤの上限は10本で、すでに4本が使用済み。このサービスAでタイヤをすべて交換してしまうと、明日のデイ2で使用できるタイヤは2本のみとなってしまう。もしパンクなどで不意の交換が挟まれば、明日はタイヤが一切交換できなくなるのだ。
チームは、サービスAでタイヤ交換をせず、デイ1後半セクションもそのまま走らせることに決めた。デイ2で確実に3ポイントを稼ぐために、フレッシュタイヤ4本を切り札として残しておくことにしたのだ。恐らく、明日の戦いは秒差を争う接戦となる。そのときに新品タイヤを履いていることは大きな武器になるし、さらにはプッシュを続けることで、あるいはトップのS2000に何らかのミスを誘うことができるかもしれない。
SS(距離) | ステージタイム(トップ差) | クラス総合タイム(トップ差) |
---|---|---|
SS4/林ノ上 II (4.16km) | 3:21.9(TOP) | 22:16.4(+23.4) |
SS5/三方 II (6.86km) | 5:52.8(TOP) | 28:09.2(+22.1) |
SS6/白木々場 II (8.99km) | 8:50.3(+4.0) | 36:59.5(+26.1) |
デイ1後半セクション、SS4「林ノ上Ⅱ」でベストタイムを奪取して3番手に浮上! 続くSS5「三方Ⅱ」でも連続ベストを奪ったメロン号は、トップとの差を22.1秒まで縮めてきた。だが、メロン号の追い上げを知ったS2000はSS6「白木々場Ⅱ」でチャージをかけ、使い古したタイヤのメロン号はそれに追いつくことができない。だがベストタイムこそ逃したものの、ついにメロン号は最下位から2番手まで大きくジャンプアップして、この日最終のサービスBに戻ってきた!
一時は最下位に転落し、もはや勝利は絶望的と思われていたメロン号。ついに、トップを行くS2000の後塵が見える位置まで追いついてきた。だが、その差は依然として26.1秒の大差。さらに3番手の曽根崇仁/桝谷知彦組のセリカとは、いまだ3.8秒の僅差でしかない。明日のデイ2、どちらも猛烈なスパートをかけて勝負を挑んでくるはずだ。
メロン号の採るべき手はただひとつ、他を上回る猛チャージをかけて攻めること。そのためにタイヤを1日通して交換せず、フレッシュタイヤ4本の使用枠を温存してきたのだ。あとは後続を引き離し、そしてチャンスがあれば一撃でトップの首を撃ち落とすのみ!
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第9回
ゲーム・ホビー
水着美女多数! 生くす子ちゃんのオーディション開催 -
第8回
ゲーム・ホビー
今年の最終戦! メロン号、新城ラリーで激走! -
第7回
ゲーム・ホビー
北の大地は容赦なし! メロン号、北海道はリタイヤに -
第6回
ゲーム・ホビー
舗装路に敵ナシ! メロン号、岐阜の新ステージを制し優勝 -
第5回
ゲーム・ホビー
九州は宮崎でメロン号、ついにグラベル完走! -
第4回
ゲーム・ホビー
大荒れの久万高原! メロンインテはリタイヤに -
第2回
ゲーム・ホビー
メロンインテも2011年仕様に衣替え! -
第1回
ゲーム・ホビー
メロンブックスラリーチャレンジが2011年の体制を発表! -
ゲーム・ホビー
痛車でラリー! メロンブックスインテ2年目の挑戦 - この連載の一覧へ