高性能と静音性を両立
本体性能を知るために、「CrystalMark 2004R3」でベンチマークを行ったところ、CPUの性能を示すALU(整数演算性能)とFPU(浮動小数点演算性能)の数値が高く、以前レビューしたCore i7-2600(3.40GHz)を搭載したビジネスPCとほぼ同じ値となった(関連記事)。
CrystalMark 2004R3とWindowsエクスペリエンスインデックスの評価に関して、双方とも本製品のメモリーの値が低めだが、これは4GBメモリー1枚のシングルチャネル動作によるものと思われる。BTOでは2GB×2枚のデュアルチャネル構成にすることも可能だ。
スモールタワー型PCの懸念としては、動作音が挙げられる。筐体容量、つまりPC内部の空間が狭いほど、熱がこもりやすく、CPUクーラーなどのファンが高回転で動作するからだ。
しかし、本製品の静音性能は高く、CPUストレスソフトの「Prime95」を稼働させ、タスクマネージャーによるCPU使用率の表示が100%となる状態を20分ほど続けたが、ほぼ無音状態を保っていた。
アイドル時に関しては冷却性能も優秀で、「CoreTemp」によるCPU温度計測では、32℃前後で推移していた。高負荷時では最高で82℃の値を記録したが、負荷を止めて1分後には40℃以下にまで下がった(計測時は、室内温度を22℃に保っている)。
CPU温度と消費電力の計測結果 | |||
---|---|---|---|
電力モード | アイドル時 | CrystalMark | Prime95 |
CPU使用率 | 0% | 50% | 100% |
CPU温度 | 32℃ | 55℃ | 82℃ |
消費電力 | 28W | 82W | 96W |
吸気には前面にある7cm角の吸気ファンが1基使われており、排気は電源ユニットのファンが受け持っている。内部のCPUクーラー周辺にはプラスチック製のカバーがあり、これによって前面から吸気した冷気を効率的に取り込み、CPUに吹き付けられるように配慮されている。こうした工夫が冷却性能と静音性能をバランス良く両立しているのだろう。
この連載の記事
-
第39回
デジタル
堅牢性に自信あり! 「HP EliteBook 2560p」 -
第38回
ビジネス
タブレットでもCore i5搭載、「Eee Slate B121」の実力は? -
第37回
デジタル
高質感・高拡張性のプロ仕様、「HP ProBook 6560b」 -
第36回
ビジネス
パナソニックの「TOUGHBOOK CF-31」を試す -
第35回
デジタル
顔認証と省電力「HP 8200 Elite All-in-One」の実力検証 -
第34回
デジタル
薄さ10mm、HPの持ち運べる液晶「L2201x」を試す -
第33回
ビジネス
デルの「OptiPlex 990」を試す -
第32回
ビジネス
ピークシフト対応機の本当のところ -
第30回
ビジネス
富士通、次世代Atom搭載の全部入りスレートPC「STYLISTIC」 -
第29回
デジタル
マウスコンピューターの「MPro-iS210B」を試す - この連載の一覧へ