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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第65回

地味な優等生が華麗に変身? 新VAIO S開発者に聞く

2011年03月10日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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SSDモデルなら15秒で起動完了!

北野氏の手により、解体されていくSB

 ソフトの面でも、SBシリーズはかなりの手が加えられている。ポイントは「起動時間」だ。

石山「実際に既存のZシリーズと新しいSBシリーズで、起動時間を比較してみましょう。どちらもクアッドSSD搭載モデルです」

「Windowsロゴが出てきた後の光のアニメーションが、SBでは全部表示される前に起動が終わってしまいます(笑)。公称値としては『20秒以下で起動』としています。クアッドSSDの最速のモデルでは、状況によって1秒くらいは異なるのですが、とりあえず『15秒以下で起動』とさせていただいています」

SBのVOMモデルに内蔵されるクアッドSSD。2.5インチHDDとほぼ同サイズ

宮入「起動を高速化するため、BIOS自体をこの機種専用としています。BIOSの処理をこまかくチェックして、どこで時間がかかるか、不要な処理がないかを徹底的に見直しをして、高速化しました」

「またOS起動中には、Windowsロゴの表示が一瞬で終わりましたが、あれはドライバーのロードを早めることで実現しています。こちらもロードが遅いドライバーを調査して、ドライバーベンダーと共同で高速化を行ないました」

「そして最後がWindowsの起動後です。OS起動後はいろいろなVAIOアプリケーションが起動されるのですが、このVAIOアプリケーションでも、どこが遅いかを洗い出して高速化をしています。実はVAIOアプリケーションについては、SBに限らず今春のモデルから、機種を問わず最適化されています」

「重要なことは、決して『何かサービスのロードを止める』のではないということと、15秒や20秒という起動時間は『必要なソフトを起動した後の値である』ということです。セキュリティーソフトやランチャーソフト『VAIO Gate』などを起動して、それらの起動が完全に終わった状態までで15秒台になる。サービスを止めないわけですから、何かが起動しないといった不具合を起こすこともありません」

石山「ちなみに起動時間は、SSDであればクアッドでもシングルでも大きく違いません。HDDモデルでは、さすがに起動時間はクアッドSSDモデルの2倍程度、30秒以上になります」

宮入「デバイスドライバーについては、われわれから要求をあげて修正をしていただきました。今後はその改良が、ベンダー提供の標準ドライバーにも反映されていくことになりますから、いつかは同じモジュールが他社製品でも使われていくことになります。しかしわれわれはトータルで検討して、ドライバーロードの順番も含めて手を入れていますので、十分なアドバンテージがあると思います」

 昨今ではソニーだけでなく、パナソニックやレノボも「PCの起動時間」の高速化に着手している。ソフトの構成で実現できる要素が大きいだけに、エンジニアリングリソースを投下できるメーカーとしては、格好の差別化要素と言えるのだろう。

 とはいえこれらの施策は、読み込み速度の速いSSDで顕著なものだ。SBシリーズはZシリーズとは違ってメインストリームラインの製品なので、中心となる製品は価格の安い「HDDモデルになる」(太田氏)という。そこで、HDDモデル向けにも工夫が加えられている。

宮入「実はHDDの衝撃対応も進化しています。従来はゼロGを検出した時、もしくは衝撃がある時にHDDを止めるという形でした。しかし、これ以上の安全性確保には、『動きを予測しないと間に合わないだろう』ということになり、横方向の動きを検出するようなアルゴリズムを追加しました」

「例えば、静かに机の上に置いた時などにも、すでにHDDヘッドが待避している状態になります。だから机に置こうとした時にアクシデントが起きて、たまたまちょっとぶつかりそうになっても大丈夫。HDDモデルでも堅牢性・安定性が高まっているわけです」

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