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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第87回

プロ編集者の本気を見た!投稿サイト「思い出のファミコン」

2011年02月01日 12時00分更新

文● 古田雄介

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「絶対刺さる」自信を深めたファミコンネタ

―― そもそも、なぜファミコンを選んだんですか?

深田 最初は……2002年頃でしょうか。2001年にネットの会社での仕事を求め、All Aboutに転職して、ウェブマガジンを立ち上げたんです。毎週ワンテーマの特集記事を作っていまして、その中で「親子でファミコン遊びしませんか?」という記事を作ったことがあったんですよ。

 すると、もう今までの回とは明らかに違う反響があったんですね。アクセス数も数倍はあって、「このネタはイケるな」と感じました。

 その後、2002年12月にサイバーエージェントに転職しまして、色々なジャンルを扱うメールマガジンを制作する部署に配属されたんです。そこでずっと考えていたファミコンの企画を提案してみたんですが、あっさりボツになりました。それでも個人的にはやってみたいという気持ちは残りました。このテーマはウケるだろう、確実に刺さるだろうと。

―― 会社でダメなら個人で、という。

深田 ええ、ちょうどすぐに年末休みに入ったことや、翌年(2003年)がファミコン20周年だったので、ふと「この休みに作っちゃおう!」と思い立ちました。この段になって、ファミコンという素材をどう料理するかしっかりと詰めて、先に話したような切り口でいくと決めたんです。

―― なるほど。でも、短期間に練り上げるのはけっこう大変じゃなかったですか?

深田 そこは過去の経験が生きましたね。一応HTMLはベタ打ちで書けますし、All Aboutで学んだことも多かったので、かなり具体的な青写真が描けていました。検索エンジンに引っかかりやすいようなサイト運営についてはもちろん、ページ全体の構造もこだわりました。

 トップメニューと新着欄があって、ファミコンの年代やタイトルなどで検索できるように整理をしつつ、各ページにちょっとしたSEO対策的な要素も盛り込んだり……。

 冬休みの間に、そうした雛形は作ってしまいました。年明けに公開したあとも、自分や知り合いにお願いしたりして、色々なゲームのエピソードを用意して、読者が参加しやすい雰囲気作りを徹底しましたしね。

さまざまな検索モードなども付け、サイトを巡回しやすくした

―― では、滑り出しから狙い通りに盛り上がっていきましたか。

深田 狙い通りと言ったら、そうかもしれません。皆に協力してもらったこともあって、1月後半には知人以外の人からのエピソードが届くようになって、以降も少しずつ第三者からの投稿が増えるようになりましたね。軌道に乗れば自然とコンテンツが集まってくるような状況は作れたので、あとはリピーターを増やすべく、僕も一生懸命更新を続けました。とにかく雰囲気作りをしっかりしていこうと。

(次のページに続く)

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