実はツイッターと同じ仕組み?
―― プライベートなサイトだと思いますが、本当にプロとして運営しているんですね。
深田 公私関係なく、情報発信することに対してプライドを持ちたいということですね。ちゃんと管理して、ちゃんと価値ある情報を提供したいという。
ネットがない頃は、世間に対して自由に情報発信する場なんてなかったじゃないですか。それが最近はブログやSNSで、本当に誰でも手軽にアウトプットできるようになった。それはもちろん良い面がたくさんありますが、僕としてはあまりに敷居が低くなりすぎている気がするんですよ。それこそブログに「あれ食べましたー」みたいな面白くもない内容を載せる中途半端なタレントや、それにコメントつけるヒマな人とかがいる。あれは何なんだろうっていう(笑)。
内容が間違っていたり、誤字脱字が混ざったまま平気で発信している人も多いですし。そういうのもあって、ブログやSNSは苦手なんですよ。
―― (笑)。まあ、タレントでなくても、内輪でしか面白みの欠片もない記事を載せる人は多いですね。SNSでは特に。でも、深田さんもツイッターだけはやられていますね。
深田 僕も自分で意外でしたが、始めてから面白さに気づいたんですよ。自分のつぶやきは、どんどんタイムラインで流れていく。思い出じゃなくて「今」を共有する面白さ、なんでしょうか。
―― 新聞なんかで見かける「ミニブログ」はちょっと感覚が違いますよね。そういう感想を抱けるのは、インフラ以上に「こうやって使うものなんだよ」という雰囲気が利用者に浸透したのが大きいかなと思います。そこは「思い出のファミコン」と共通すると思うんですよ。インフラだけではどうとでも変貌するところを、「こういうものですよ」という空気感ができているところが。
深田 そういうのはあるかもしれませんね。最初に空気感を作って、その中で色々と面白いアウトプットを積み重ねるという。インタラクティブの面白さというのはまさにそこなんですよね。発信側が思ってもみない反響が返ってくることもあるし。管理側が枠組みを作ったとしても、その想定範囲を越えて深化していって、思いがけない愉快なエピソードに出会えたりしますから。
―― では、今後の目標を教えてください。
深田 「思い出のファミコン」は、もはやライフワークなので。ずっと続けていくと思います。というより、自分で見ていても投稿が面白いんですよ(笑)。純粋に一読者として楽しめるんですよね。
あと、ネット全体でいえば、やっぱり情報発信する側がもっと責任やプライドを感じるような枠組みや風潮がほしいと思います。誰でも情報発信できるというのはすごく可能性があると同時に、事実確認や影響性といった責任も伴うと思うんです。そういうリテラシーを、ネットに関わる一人ひとりが持つべきと思うんですよ。将来はそうした教育に関わりたいなという夢もあります。
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