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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第87回

プロ編集者の本気を見た!投稿サイト「思い出のファミコン」

2011年02月01日 12時00分更新

文● 古田雄介

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プロ編集者として本気で管理!

―― サイトの雰囲気ですが、読者参加型のものだと、頻繁に更新されている感のほかは、読者投稿ありきという部分が多いと思います。そういう意味で最初から意図通りの投稿ばかりでしたか? それとも「そうじゃなくて、こういう感じのものを」と軌道修正することが多かったりしましたか?

深田 そこはサイト設計時に徹底してシミュレーションしました。本当にみんなで「ああそうだよね」と共感しあえるようなエピソードがたくさんある。そういうコンセプトですよ、ということで私や知人が、ある種の見本として最初にいくつか投稿していったんです。

 だから、あとから軌道修正に悩むということはなかったですね。まあ、「面白かった」とだけ書いてきたり、「この人の言うとおり」とコメント欄的な感想を投稿してきたりする人もいますが、そういうものは載せません。

コラム投稿ページには、思い出を書くうえでのルールが書かれている。それでも「ゲーム欄にコラムタイトルを入れてくる人がいまだに多いです(笑)」という

―― たしかに投稿を選定する形式だから、深田さんがブレなくて、コンセプトの範囲に入る投稿がコンスタントに届けば、サイトの雰囲気は安定しますね。

深田 そうですね。最盛期には1日1通以上の投稿をいただきましたし、今も1週間に1回は届くという感じです。ちょっと最近は本業が忙しくて更新が滞っていますけど、ちゃんと掲載しようと思っている「思い出」はストックしてあります。……80本くらい(笑)。

―― やはり毎回編集や校正をしてからアップとなると、かなり手間がかかってしまうと。

深田 申し訳ないですが、そういうところはあって。でも、自分が実名で管理人と名乗っている以上は、すべてのコンテンツをしっかり管理したいんです。やっぱり本業で文章を扱っている以上、(一般のブログなどとは)クオリティの違いというのをきちんと出していきたいなと。

 とにかく、読者のことを全然考えていない体裁になるのが激しく嫌なんですよ。だからサイトの体裁も読みやすさを意識して、徹底してシンプルで空間のあるデザインにしたりとこだわっています。アフィリエイトも情報が散らかるから絶対入れたくないんですよ。まあ、中途半端な小遣い稼ぎでサイトの空気感を壊したくないという気持ちもありますが。

―― 編集者ならではのこだわりですね。実際、読者からの思い出には、どんな風に手を入れているんですか?

深田 「てにをは」の修正や「1コン」「2コン」といった用語の表記統一、登場キャラの名前などの事実関係の確認はまずしますね。あとは、あまりに長文のものは要所をまとめさせてもらったり、逆に、具体的な物事が分かりにくいときは投稿していただいた方にメールで聞いて書き加えたりすることもありました。

(次のページに続く)

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