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開発者が語りつくした! 「KORG M01」が出来るまで【前編】

2010年10月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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退社からDETUNE設立までの経緯

―― ところでKORG M01がDETUNE社の最初の仕事になるわけですが、会社設立を思いついたのはいつ頃ですか?

岡宮 前の会社を辞める半年前くらいですかね。

―― それは音楽ソフトを作りたかったから?

岡宮 ソフトが作りたいというか……。ユーザー同士がつながっていけるようなツールを提供したいというか。DS-10をやった時に、ユーザーのコミュニティができあがっていって。

―― しょっちゅうイベントをやってますよね。僕もたまに参加してますけど。

昨年7月25日のイベント「KORG DS-10 お誕生会」より

岡宮 ええ、四本さんはよくご存知だと思いますが、それがすごく新鮮だったんです。ゲームソフトは作ったら作りっぱなしなんですよ。それを楽しみにしているファンの人達もいるんですけど、ユーザーさん同士で一緒に飲みに行ったり、イベントをやるなんてことはほとんどなくて。どっちかというと、僕らもそういう仲間に入れて欲しいからなんですね。

―― ソフトを作りつづけているとユーザーに相手にしてもらえると。

岡宮 そうそうそう。

―― つまり皆にかまって欲しくて作ったと。

岡宮 寂しがり屋なんです。

―― わははは。なんですかそれは!

佐野 ゲームなんて2年くらいかけて作って、2週間しか持たない時がありますからね。それはやっぱりしんどいですよ。

―― 確かにライフは長いですよね。まだみんなやってるから。

佐野 長っがいですよ、DS-10は。もはやDS-10もない、ただの飲み会みたいなイベントもありますからね。でもそれでいいと思っているんですよ。僕はDS-10をSNSだと思っていますから。

―― 岡宮さんが会社を辞めると聞いたとき、佐野さんはどう思ったんですか?

佐野 「あっ、まじっすか! 行きます! いいっすねー」と。

会社創設時はふたつ返事でオーケーを出したという佐野さん

岡宮 条件を言う前にね。

―― そんなに前の会社が……?

佐野 いや、感謝してますよ。普通の会社じゃ、DS-10なんかやらせてもらえないですからね。

岡宮 それは僕も同じです。

佐野 でも次のを出したいって気持ち、あるじゃないですか。それがどうも時間がかかりそうだというムードで。それとプロキオン・スタジオの光田さん、あの人がもんのすごいせっかちなんですよ。

※ 光田康典。ゲーム音楽作家。現プロキオン・スタジオ社長、株式会社DETUNE 取締役。

―― おっ、それは意外な。

佐野 あの人、コンポーザーだとゆったりとしていて、アーティスト的なんですど、社長・光田はものすごいせっかちなんですよ。「岡宮さん早くやりましょうすぐやりましょう今すぐやりましょう」って。

岡宮 最初にコルグさんに話した時期に「次はM1やりたいんですけど、どう思います?」って言ったら「いいじゃないですかいいじゃないですかすぐやりましょう」って。こっちは会社で揉んでるところなのに……。

佐野 「あれどうなりましたかダメですよ早くやらないとダメですよ」って。それで焦って会社も作らなきゃならないし、押すな押すなでしたよ。

岡宮 でしたね。前の会社はゲームが本業なので、こういうソフトは異端なんですよ。流通もそうですし、営業も慣れてないし、なかなか難しいですね。

―― でもDS-10はメチャクチャ売れましたよね?

岡宮 そうですね。最近はビデオゲーム市場が元気ないので、その中では健闘したと思いますね。

―― そういう稼げるチームを手放していいんですかね。

佐野 それは僕らが考える問題ではないかと……。

岡宮 会社側でやってほしいことと、将来的にこちらでやりたいことのギャップが大きくなってきてしまったんでしょうね。結果としては円満退社させていただきました。

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