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KORG iMS-20はアプリじゃない、プロ用の楽器だ! 【前編】

2010年11月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 ニンテンドーDS用シーケンサーソフト「KORG DS-10」のプロデューサーでおなじみ、デチューンの佐野氏が以前から言いたがっていた「もう一つ」のソフトが、11月9日に発売された。

 「KORG iMS-20」(iTunes Store)というiPad用のアプリで、価格は3800円(2011年1月31日までは1800円!)。その名の通り、1978年発売のアナログシンセサイザー「KORG MS-20」を再現したソフトウェアシンセサイザーだ。

 シーケンサー、エフェクター、ミキサーにカオスパッドも内蔵した、オールインワンのバーチャルアナログシンセサイザーという意味では、DS-10の構成に近い。6トラック用意されたアナログリズムマシン、MS-20でシンセサイズした音のサンプリング音源という点も、DS-10と同じだ。

 iMS-20で最高のギミックは、シーケンサー部からピアノロール画面を廃し、「KORG SQ-10」という往年のアナログシーケンサーのインターフェースを採用したことだ。このシーケンサーは、MS-20と同時期の設計で、MS-10/MS-20/MS-50などと並べて使うことを念頭に設計されていた製品。当然ながら、デザインや操作感の整合性はこれ以上ないものだ。

KORG iMS-20

 さらに画期的なのは、無料の音楽配信共有サイト「SoundCloud」に接続する機能を持つこと。iMS-20のオーディオデータは44.1kHz/16bitのWAVファイルとしてエクスポートが可能で、そのデータをiMS-20から直接SoundCloudへアップロードできる上に、他のユーザーのデータをiPadにダウンロード、再生や編集も可能という仕様になっている。

SoundCloud

 発売直後からiMS-20は大人気で、発売の翌日からApp StoreのiPadアプリ売上No.1を維持している(2010年11月19日現在)。iMS-20発売に合わせてディスカウント販売された「KORG iELECTRIBE」、そして同時期に発売された「ReBirth」と、一時は上位3位を楽器アプリが独占することになった。

 今までiPadをめぐる様々な「大人の思惑」に共感できなかった私も、わざわざこのためにiPadを購入したくらいだ。iMS-20は、iPadをコンシューマー向けのクラウド型端末から、積極的にコンテンツを発信するためのモバイルツールに変身させる。そうした点でも画期的なアプリである。

 iELECTRIBEに続く、最強のiPad用楽器アプリiMS-20。その開発チームにたっぷり話を聞いてきた。

座談会参加者

佐藤隆弘(株式会社コルグ商品企画室室長)

福田大徳(株式会社コルグ開発部 iMS-20開発チーム・リーダー)

中島啓(株式会社コルグ開発部 音源・シーケンサー部担当)

佐野信義(株式会社デチューン開発本部長)

岡宮道生(株式会社デチューン代表取締役)

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