今年も例年どおりの時期に、アップルから「iPod」シリーズの新製品が登場した。従来モデルから大きく様変わりしたのは、「iPod touch」と「iPod nano」の2モデルだ。
iPod touchはついにカメラが搭載されたほか、「iPhone 4」と同様の960×640ドットの「Retina」ディスプレーが搭載された。一方のiPod nanoはガラリとデザインが変わっている。伝統のホイールを廃し、1.54型のマルチタッチ対応の液晶ディスプレーを使ったインターフェイスに切り換えることで、大幅な小型化を果たしたのが特徴だ。
この2つのモデルに注目が集まりがちな今回のラインナップ刷新だが、「iPod shuffle」も前代のモデルからさまざまな改良が加えられたことで魅力を増している。そこで今回は、このiPod Shuffleに注目してみた。
さらに小さく、さらに安く
iPod shuffleはユーザーが積極的に選曲するのではなく、ランダムに再生される曲を楽しむことに重点を置いたシリーズであり、その考え方は初代モデルのキャッチコピーである「すべて、偶然にまかせよう」によく現れている。
シャッフル再生を前提とすることで選曲のために必要な液晶ディスプレーを排除することが可能になり、さらに操作のためのボタン類も最小限に留められている。特に液晶ディスプレーがないことで極めてコンパクトな本体を実現しており、クリップを使って衣服などへ留めて持ち出せるという高い携帯性を実現しているわけだ。
第3世代のモデルと比べると、新モデルはさらに小型化が図られている。第3世代は幅17×奥行き7.8×高さ45.2mmという縦長の本体だったが、新型は幅31.6×奥行き8.7×高さ29.2mmとほぼ正方形になった。重量は10.7gから12.5gと、わずかに重くなっているが気になるレベルではないだろう。
もう1つのiPod shuffleのポイントは低価格であるということ。今回のモデルは2GBのフラッシュメモリーを内蔵して4800円という価格を実現している。
円高の影響もあると思われるが、同じ第3世代の2GBモデルと比べると1000円の値下げとなっている。フラッシュメモリーの価格下落により、デジタルオーディオプレーヤー全体で低価格化が進んでいるが、それにしても5000円札でおつりがくるというのには驚いてしまう。
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