スマートプレイリストの使いこなしがカギ
iPod shuffleが便利だと思えるかどうかは、シャッフル再生が楽しめるかどうかがポイントになるだろう。
前述のとおり、曲送り/戻しボタンを使って選曲することは可能だ。しかし積極的に選曲したいと考えた場合、やはり液晶ディスプレーのないiPod shuffleのインターフェイスでは不満が残る。このように考えていくと、やはりシャッフル再生中心で使うものと考えるべきだ。
ただ実際に使っていると、完全にシャッフルではなく、特定のアーティストを聴きたい、あるいはロック系の曲を聴きたいなど、気分に応じた曲を聴きたい場面はある。そこで活用したいのがiTunesに用意されているプレイリストの機能である。
iPod shuffleもそのほかのiPodと同様、全曲転送に加え、特定のアーティストやアルバム、あるいは作成したプレイリストだけを転送できる。そこでいくつかのプレイリストを作成してiPod shuffleに転送し、気分に応じてプレイリストを選択して再生するというわけだ。
さらにiPod shuffleを楽しむ上で活用すべきなのは、指定した条件に合致した曲でプレイリストを作成してくれる「スマートプレイリスト」の機能だ。注目したいのは指定できる条件の豊富さで、アーティスト名やアルバム名、ジャンル名を指定できるのはもちろん、曲の長さやユーザーが割り当てたレート(曲の評価)、再生回数、スキップした回数、最後に再生した日など豊富な項目が用意されている。さらに指定した内容について、「含む」「含まない」「一致する」「一致しない」などさまざまな条件設定が可能で、複数条件の指定にも対応している。
この機能を使えば、「ジャンルがRockで、スキップ回数が5回以下、最後に再生した日が7日以内ではなく、再生回数は50回以上」という条件に合致した曲で自動的にプレイリストを作る、といったことができてしまう。
さらにプレイリストに含める曲数を、「分」や「時間」、「MB」、「GB」といった単位でも指定することが可能なため、「2GBのメモリーのうち300MBをこのプレイリストに割り当てる」といった調整も可能である。
シャッフル再生を楽しみたいと考えるなら、活用したいのは「最後に再生した日が」という条件だ。これで「7日以内ではない」などと指定し、自動でプレイリストを更新する「ライブアップデート」のチェックを入れておく。
これでiPod shuffle、あるいはiTunesで再生した曲は自動的に「7日以内に再生した」ことになり、プレイリストから除外される。そして新たな曲が追加されるので、最近聴いていない曲だけを楽しめるというわけだ。さらにお気に入りのアーティスト、あるいはレートの高い曲などの条件を組み合わせ、「好きだけど最近聴いていない曲だけをリストアップする」といった使い方ができる。
このようにシャッフル再生を軸とした意外性を楽しみつつ、プレイリスト/スマートプレイリストを使いこなすことで「お気に入りの曲だけをランダムに再生する」ことも可能という点がiPod shuffleの魅力だろう。特にスマートプレイリストは多彩な条件が設定できるため、ついつい熱中してしまう魅力がある。
こうした従来からのiPod shuffleの特徴を継承しつつ、一般のイヤフォンをそのまま使えるようになり、本体がさらに小型化した新モデルのiPod shuffleはかなり魅力的なモデルだ。特にデジタルオーディオプレーヤーを使っていて、「ライブラリには膨大な曲が入っているのに、聴いている曲があまり変わらない」、「選曲が面倒になった」などと感じているなら、手軽に使えるサブ機として検討する価値はあ るだろう。
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