解像度はやや甘くなるものの、3D感はかなりのもの
今回も撮影は前回と同じシチュエーション(趣味のキャンプツーリング)で行なっている。そのため、パナソニックのHDC-TM750と交互に使いながら撮影を行なったのだが、その場で3D映像として見られる効果は大きく、キャンプに参加したメンバーの評判も上々。ビデオ撮影をしていると、被写体と適切な距離を取りながら、客観的に撮影をすることが多いと思うが、3D効果を確認しながら撮影できることもあり、撮影している料理の前にわざと手を出してもらうなど、ライブ感のある映像を撮りたくなる。
静止画で切り出してしまうと、肝心の料理が隠れていて作品としては気になることもあるが、動画全体を見ていると実に楽しげで、イベントの記録などは案外こうしたラフな撮影の方が面白い絵になるとわかる。
肝心の映像については、一般的なフルHDのビデオカメラに比べれば、かなり甘い映像という印象はある。内蔵モニターが3D表示対応なのはとても面白いのだが、ピントのズレなどをチェックするには解像度が半分になっていることもあり、確認はしにくい。
まあ、本機でそこまで言うのはいささか野暮という気もする。なお、パララックスバリア方式の表示は、解像度だけでなく画面の明るさも半減するが、直射日光の下で見るような場合をのぞけば、画面が暗すぎて何を撮っているのかが分からなくなるということもなく、十分に3D感を確認しながら撮影が行なえた。
野暮を承知でもう少し撮影画質について詳しく触れておく。動画の記録解像度は1280×720ドットだが、2GBで約50分の録画ができるという点からも、転送レートもわりと低めのため、キャンプ場内の小川の流れなどを撮影すると、解像感の劣化が目立ちやすい。MPEGノイズも発生し、ディテールがモザイク状に荒れた感じになってしまう。また、暗い場所での撮影はかなり厳しい。暗部が潰れるだけでなく、画面全体が赤に寄った映像になってしまった。
デジタルズームも試してみたが、もともとやや甘い映像のため、デジタルズームによる解像感の劣化はあまり気にならなかった。とはいえ、ディテール感などは不足気味で、被写体の近くに寄れるなら、近づいて撮る方がよい。
今回掲載している写真は、すべて動画撮影した映像から静止画に切り出したものなので、静止画撮影したものと比べれば、画素数の違いから言っても解像感はやや不足している。いずれにしても、より精細感のある映像を撮りたいならば、2Dの静止画で撮っておくといいだろう。
3D撮影が思いのほか楽しくて、ついつい3Dモードで撮りっぱなしにしてしまいがちだが、後からもっときれいな写真で残しておけば良かったと後悔しないためにも、2Dの静止画や動画もこまめに撮っておく方が良さそうだ。
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