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3PARよりいい?買収したオカリナの技術も披露

デル曰く「同じ重複排除でもこんなに違う!」

2010年09月13日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月10日、デルはストレージの勉強会を開催し、重複排除についてストレージエバンジェリストである桂島航氏が解説した。プレス向けのストレージ勉強会は、7月にSSDをテーマに行なった第1回に続いて2回目になる。

重複排除の威力を改めて知る

デルのグローバルSMB本部 エンタープライズ テクノロジスト 桂島航氏

 勉強会の講師を務めたデルのグローバルSMB本部 エンタープライズ テクノロジストである桂島航氏は、古くからストレージの仮想化に関する研究に携わり、重複排除の技術も当事者の立場から見てきた経緯を持つ。第1回目でも説明されたとおり、ストレージ事業にもっとも真剣な会社として2010年4月にデルに入社。エバンジェリストとして、ストレージ技術の啓蒙に務めているという。

 さて、2回目となるストレージ勉強会のテーマは「重複排除」。桂島氏は2003年の黎明期から重複排除の勃興を目の当たりにしているが、米国ではすでにCIOが注目する技術の筆頭に躍り出ており、普及期に突入しているという。これに対して、デルもバックアップ用のD2Dストレージ「Dell|EMC DD(Data Domain)シリーズ」を筆頭に、シマンテック、コムボルトなどのソフトウェアで重複排除を実現している。また、7月にはユニークな重複排除技術を持つオカリナネットワークスを買収した。

 この重複排除が最初に花開いた分野がバックアップである。この理由は明確でプライマリに比べてバックアップの容量が通常5倍から10倍も多く、かつ中身を見ると重複データが多いからだ。「米国の企業は8~12週をバックアップとして保有しているが、1週間で更新されるデータは5%以下に過ぎないといわれる」(桂島氏)という状況。つまり、95%は重複するデータになるため、重複排除の効果は絶大になる。さらに圧縮をかけると、ますますデータ量が減ってくる。

プライマリに比べてバックアップのデータははるかに大きい

 たとえば、週次でフルバックアップ、日時で増分バックアップという一般的なローテーションで見ると、初回のフルバックアップは2~4倍だが、2回目のフルバックアップ時には削減効果が50~60倍になるという。「1TBが20GB程度に削減される」(桂島氏)というレベルだ。

最初のフルバックアップ時には効果は薄いが、2回目には大きな効果を発揮する

 また、バックアップだけではなく、レプリケーションの効果も大きい。重複排除を行なった後にレプリケーションを実施することで、WANに流れるデータ量が激減するため、回線コストも大きく削減できるという。

(次ページ、単位、判定方法、処理タイミング 意外と違う重複排除)


 

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