古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第78回

人気サイトなんてなるもんじゃない　医学都市伝説・作者が語る

「ボケ防止が目標です」

――　では、今後の目標を教えてください。

坂木　サイトをどうこうしようというのはありませんが、続けていくことによるボケ防止が目標です（笑）。まあ、自分を含めて人に飽きられない限りはやっていこうと思いますね。ただ、こうした医療系のコンテンツは高尚なテーマでやっているところが多いので、今みたいにおちゃらけたことを続けていてもいいのかなあという気持ちはありますが。

――　過去の日記でも、現在のテイストを鑑みて「政治問題など、真面目な論調でいいたいことがないわけじゃない（でも控えている）」ということを吐露していましたね。

坂木　そういうときもありますね。サイトにまとまった記事を書くときは、だいたい2日くらい頭の中で考えて、固まったところで表に出すという感じなんですよ。そのときに、ユーモアがないからボツにするということはよくあります。ネットを見ていても、「俺は頭がいいんだぞ」って言いたいんだなって感じるようなブログってあるでしょ。ああいうのは、読んでてちょっと楽しくないですからね。

――　高尚なオーラを出す方向には絶対行かないようで嬉しいです（笑）。ただ、何かとデリケートな話題になりやすい医療関連で、色々な方面に配慮しながらユーモアを出すというのはかなり高度なテクニックだと思うんですよね。

坂木　その辺は本当に気をつかいますね。とくに患者さんのことを書くときは、本当に色々意識します。ただ、だからといって、必要以上に倫理観やタブー感に縛られるのはおかしな話でね。

――　そのスタンスの一貫性が、コンテンツのカラーが変わっても固定ファンが多くついている秘訣ですね。

坂木　まあ、みんな医療現場の裏情報的なものがほしいという感じだと思いますよ。私がそういうことを話しそうだというだけで。実際、今でも「裏情報」的な内容を書いたらアクセス数が1000くらいアップしますし、当たり障りのない雑感だったら全然反応がなかったりしますし。長くやっていると、どんな記事がアクセス数を上げるのかというのも分かってきます。

　まあでも、もう「人気サイト」というのはこりごりですから。自由気ままに更新していこうと思いますけどね。

この10年のサイト運営を振り返り、「失敗と軌道修正ばかりやっています」と笑う。現在のサイトのなかでは、アフィリエイト広告の導入を“失敗”と感じているらしい。「サイトに来る人がだいたい同じだから、いちいちみんなクリックしないですからね。現在は広告収入なんてゼロに等しいですが、このスペースを空にしても何も穴埋め要素が思いつかないからそのままにしています」とのこと

筆者紹介──古田雄介

　元建設現場監督＆元葬儀業者＆現古銭マニア＆毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」ではみなさんのお勧めサイトを募集中です。

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