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SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミク×GSRポルシェ密着レポート 第28回

マモノ大暴れ! ミクポルシェ、SUGO戦決勝は12位完走!

2010年07月27日 21時47分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 撮影●鉄谷康博、編集部

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スタートドライバーは初の佐々木選手!

 ピットロードにギッシリの人が集まったピットウォークを挟み、いよいよ997GT3R、新型ミクポルシェの戦いが始まる。決勝レースのスタートドライバーは、なんと佐々木選手。今回は佐々木選手の経験値アップも含めて、積極的に佐々木選手を起用する作戦なのである。佐々木選手はSUPER GTではルーキーだが、スーパー耐久ではシリーズチャンピオンにも輝いているし、なおかつSUGOはホームコースということもあり申し分ナシだ。

2万7000人が詰めかけたスポーツランドSUGOは、このように人がギッシリ! 今シーズンもいよいよ折り返し地点ということで、それぞれのチームのファンの期待も高まっているのだ

 初めてのスタートドライバーで緊張しているのかを佐々木選手に聞くと「スーパー耐久ではずっとスタートやってたから特に問題はないですね!」と頼もしい一言。番場選手は「スタートで行かないなんて4年ぶりくらいです。最初の渋滞を気にしなくていいから、気が楽ですよ(笑)」と、かなりリラックスしている様子。ウォームアップが終わり、グリッドに整列し、いよいよ決勝レースがスタートだ。

 曇ってはいるものの、気温は33度、路面温度は44度まで上昇しておりタイヤには厳しそうだ。ローリングスタートでSUGO決勝の幕が開けた。スタートダッシュをかけるが、前を走る#5マッハ号がなかなか抜けない。そうこうしているうちに、3周目くらいでミクポルシェがピットに戻ってきた。

 このときの様子を佐々木選手に聞くと、「#88とサイドバイサイドになって、これ以上避けるとコースアウトしちゃうという状況で、なんとかコース上に留まろうとしたら接触してしまった」という。ホイールは割れ、タイヤはバースト、フロントバンバーは落ちそうという状態だったがタイヤ交換、バンパーはガムテープ補強で素早く修理してピットアウトしたのだった。

どのレースでも1周目の1コーナーは大混乱になる。順位を上げるチャンスでもあるが、クラッシュのリスクもある。ここはぐっと我慢してあとから追い上げる方法もある。1周目の1コーナーをどうクリアするかはドライバー次第だ

 だが、ここはマモノが潜むと言われるSUGO。ミクポルシェにもマモノが襲いかかった。なんと先ほどの接触でドライビングスルーペナルティーを受けてしまったのだ! 「危険なドライブ行為」というジャッジが佐々木選手に下されたのである。先ほどのピットインもあり、14位から最下位にまで沈んでしまう。上位陣とは3周ほどの差がつけられてしまい、状況は絶望的。だが、まだレースは10周もまわっていない。ミクポルシェの戦いはこれからだ!

突然のピットインにファンは騒然。でも接触してタイヤとホイールだけで済んだのは不幸中の幸いだった

 そこから、SST(スーパー佐々木タイム)が炸裂。上位陣と遜色ないラップタイムで徐々に順位を上げていく。SUGOのマモノはその魔の手を緩めることなく、他のチームにも襲いかかる。フリー走行でクラッシュした#27 LMPフェラーリは出走不可能、#66 でちゃうアストンがジャンプスタートでドライビングスルーペナルティーを受け(後に誤審が判明)、強靱に生まれ変わった#62 レガシーB4はスピンで大きく順位を落とし、富士で優勝した#74 aprカローラをはじめ、#19 ウェッズスポーツIS350、#365 サンダーアジア MT900Mがリタイヤ、GT500クラスでも#35 MJ KRAFT SC430がコースアウトしリタイヤとなった。

 例年のように荒れるレース展開の中、佐々木選手は順調に周回を重ね、48周を走って番場選手に13位でバトンを渡した。

 レースはすでに中盤を過ぎており、トップを走る#2 紫電には3周差がついたまま。なんとか直前を走るマシンを抜き、12位に上がったものの、11位との差は1周ほどあり、残り10周ちょっとでは逆転は不可能。あとは順位を維持して、何かあったときに順位が上げられるようにするしかない。だが、そこは番場選手。なんだかんだと26秒台で走り、直後を走る#62 レガシーB4とは30秒ほどのマージンを稼いでいる。雨が若干降ってきたが、路面がウェットになるほどでもないのでタイヤ交換はナシ。そして残り10周を切ったとき、GT500に大きな動きが出た。

 ポールスタートでトップを独走していた#23 MOTUL GT-Rが残り8周の最終コーナーで、突如ストップしてしまう。電気系トラブルだったらしいが、このことで6位まで順位を落とし、そこからは#18 ウィダーHSVと#17 KEIHIN HSVの接戦となった。GT300マシンや周回遅れのマシンをかわしつつ、ファイナルラップのホームストレート。最終コーナーから並んだマシンは先行していた#18 ウィダーHSVの勝利と思いきや、#17 KEIHIN HSVが鼻の差でゴール。その差は0.025秒という超接戦で、スタンドの観客は総立ちという、近年稀に見る名勝負であった。最終コーナーで周回遅れのマシンに若干手間取った#18、キッチリとコーナリングできた#17、この差が明暗を分けた形になった。

 HSV同士の戦いに決着がついたと同時に、ミクポルシェもチェッカー。優勝請負人こと山野哲也が駆る#62 レガシーB4の猛追を退け、番場選手は最後まで12位を守り通した。

 予選14位、決勝12位に終わったニューミクポルシェのデビュー戦。ポイント圏内に入れなかったのは残念だが、たくさんのデータが取れ、両選手もクルマに慣れてきたし、新型ポルシェはトラブルが何一つ起きないという信頼性を見せつけた。次は長丁場となる鈴鹿700km。番場選手がこのチームに入って1周年! ポルシェが最も得意とする耐久レースで、サーキットとの相性も悪くない。いつも何かが起きる鈴鹿で、ミクポルシェを応援しよう!

(次ページへ続く)

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