今回は編集者Hの「前にモデルになってくれたあの子にまた会いたい!」というリクエストに応えて、人物撮影に関して解説していきたいと思う。人物撮影と一口で言ってもいろいろあるが、今回は簡単なポートレイトとそれにまつわるレンズやもろもろ周辺について話そうと思う。
まず、ポートレイトと言って思い浮かぶのがやっぱり明るい開放値を持った中望遠レンズだろう。以前の35mmフィルムカメラのころであれば、85mmF1.4というのがある種定番となっていた。実際にはめったにポートレイトなど撮らない人でも欲しがったものである。
あるいは50mmの標準レンズも、明るい開放値の割に無理のないレンズ設計から得られる素直なボケ味などでポートレイトに向いていると思う。
筆者も標準レンズでの被写体との距離感のほうが人物と話しながら撮影するのに向いていると思っている。しかし、このあたりのレンズの焦点距離については撮影者のポリシーが要素として多くなるので一概には言えないかもしれない。概ね35mmから85mmくらいの焦点距離のものはポートレイトに向いていると言えるだろう。
なぜ中望遠では85mmでF1.4なのか? 35mmフィルムの標準レンズと言われていたのが50mmの焦点距離を持ったレンズであることから、標準よりも少し画角の狭いレンズで背景を整理しやすいことや、広角レンズでは人物に近寄ったときにカメラに近い部分は大きく、遠い部分は小さく、つまりパースが付きやすいためなど、理由はいろいろある。
メーカーによっては、F1.2などの開放値を持った85mmもあったが、とにかく中望遠なのに標準レンズ並に明るいということで背景がぼかしやすいという理由があるだろう。
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