どうもデジカメに対する知識、というか写真全般に対する知識が薄いASCII.jpの編集者H。「露出」といえば絞りとシャッタースピードがなにやら関係しているらしい、とまでは知っているようだ。
まあ、露出モードをマニュアルにして、内部の露出計表示に合わせて絞りやシャッタースピードを自分で調整するような面倒なことは避けて通りたいのも事実。そこのところはカメラに任せてもいいんじゃないかと思うが、しかしながら撮影シーンによってカメラがいつも自分のイメージどおりの露出で撮影してくれるとは限らない。
特にニコン「D300S」のようなカメラでは最新のコンパクトデジカメのようなシーン判別などの機能など搭載していないので(シーン認識機能はあるが、それによってカメラ全体をコントロールする機能はない)イメージ通りの写真を撮りたいなら微調整はユーザー自身がしなければならない。
というわけで、まずは露出について。今回はAEモード時(シャッタースピード優先/絞り優先/プログラム)の話をしたいと思う。
露出をはかる場所を決めて測光モードを選ぶ
最近のデジカメが搭載している露出計は昔のカメラの露出計と少しばかり違いがある。基本的に18%グレーの反射率を持った被写体から反射してきた光を測り、その被写体が18%グレーに写るという反射式露出計の基礎は変化していない。
乱暴だが、白いものを撮影すると少し暗くグレーに、黒いものを写すと明るく少しグレーになってしまう。被写体に反射した光を計測する反射式露出計とはそういうもの。
加えて最近では、その露出の測り方に色情報がプラスアルファーされる。なぜ色情報が必要かというと18%グレーとそれ以外の色では反射率が異なるからという理由がある。フィルムカメラでもニコンはいち早く「3D-マルチパターン測光」という被写体との距離と色情報を含めた測光技術を採用していた。その技術が現在のデジタル一眼レフであるD300Sにも受け継がれている。
しかし、それでもなお自分のイメージした明るさ(露出)というのは得づらいものなのだ。
そこでコツとしては、まず画面内のどのエリアの露出を測るかを決めておこう。D300Sには「マルチパターン測光」「中央部重点測光」「スポット測光」の3種類の測光モードがある。
「マルチパターン測光」では、画面の広い範囲の明るさを、被写体の輝度/分布/色/距離や構図など、さまざまな情報を元に分析して露出を決定するモードだ。最新の露出測光モードといえるもので、工場出荷時にはこのモードになっている。
「中央部重点測光」では画面中央の8mm相当の円内を重点的に測光する。昔ながらの測光モードで、画面中央に大きく被写体を写すときなどによく使われる。
「スポット測光」は中央のフォーカスポイントに重なる3mm相当の部分のみ測光するモード。逆光時や輝度差の激しい被写体の時など自分の思ったポイントの露出を得たいときなどに使用する。
カメラは固定して測光モードだけを切り替えて撮影した。左から「マルチパターン測光」「中央部重点測光」「スポット測光」となっている。この場合、なぜ露出にこのような違いが見られるかと言うと、中央部重点測光とスポット測光では切通しのトンネル部分の日陰の暗い部分をカメラが測り、そこに露出を合わせたためと推測できる。この場合、現場の雰囲気を出すことができているのは「マルチパターン測光」だ
こうして見ていくと最初に紹介したマルチパターン測光に設定しておけば問題ない気がする。おおむね、この測光モードにしておけば大失敗と言うことは無いだろう。しかし、撮影シーンによって(輝度差の激しい場合など)自分のイメージした明るさと違うときなど切り替えてみるといいだろう。

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