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週刊 PC&周辺機器レビュー 第54回

色褪せないデザインに高性能を詰め込んだMacBook Pro

2010年05月14日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 去る4月、アップルの「MacBook Pro」にリニューアルした新製品が登場した(関連記事)。外観は前モデルとほとんど変わらないが、プラットフォームの変更により性能が大幅に向上している。それでいて、価格が安くなっているという大盤振る舞いだ。

 13.3型、15.4型、17型の3ラインナップが用意されているが、今回は最も売れている15.4型を試用してみた。試用機はCPUにCore i5-2.40GHzを搭載した「MC371J/A」である。

新MacBook Pro(MC371J/A)

新MacBook Pro(MC371J/A)。デザインは特に変わっていないが、どうしてここまで格好いいのか


文句の付けようがないデザインのアルミユニボディー

 1枚のアルミ板から削りだしたユニボディーは、継ぎ目のないデザインで、高級感を漂わせている。液晶ディスプレーの表面も、ベゼルまでガラスで覆っていてスタイリッシュだ。15.4型モデルは横幅が36.4cmと広く、キーボードの配置に余裕があり、タッチパッドも大きい。液晶ディスプレーを開くためのくぼみや、光学ドライブ、端子類まで細かい工夫が凝らされている。

 液晶ディスプレーの解像度は1440×900ドットで、アスペクト比は16:10となっている。最近は16:9がはやりだが、縦方向に長いとウェブの閲覧などが快適なのでうれしいところだ。表面は光沢タイプで、映り込みは強い。天井の照明や自分の顔が映らないようにしたければ、ディスプレーの微妙な角度調整が必要だ。直販サイトでのBTOでは非光沢タイプも用意されているものの、高解像度(1680×1050ドット)タイプしか選べない。価格はプラス1万5120円なので、予算と相談したい。

使いやすい巨大なタッチパッドを備える

使いやすい巨大なタッチパッドを備える

 キーボードは飛び石状のキー(アイソレーションタイプ)を採用しており、スペースキーの幅は63mm、Enterキーは広いところで幅24mm。軽いクリック感があり、キーストロークは浅め。滑らかな打ち心地で、ユニボディーのおかげか剛性感は高い。タイプ音は静かで、高速タイピングしてもうるさくない。

 周囲の明るさを検知して、キーボードのバックライトを点灯する機能は、暗い部屋で操作する際に助かる。見た目も幻想的で、意味もなく部屋を暗くして操作したくなる。

自動でキーボードのバックライトが光る

周囲の明るさを検知して、自動でキーボードのバックライトが光る。意外と明るい

 ガラス製のタッチパッドは、104×76mmと巨大だ。表面は滑らかだが、指先が湿っているとややひっかかる。パッド全体がボタンになっており、操作している指を動かさずにクリックできる。ただし、パッドの上部を押すときには少し力を入れる必要がある。右クリックしたいときは、二本指でパッドを押せばいい。


HDMIへの音声出力やモーメンタムスクロールに対応する

 ボディーのデザインは変わらないものの、いくつか改良されているポイントもある。MacBook Proは映像出力にミニタイプのDisplayPortを備えているが、音声出力にも対応したのだ。HDMI出力への変換アダプターを使えば、リビングの大画面テレビに映像と音声をケーブル1本で出力できる。

 とはいえ、映像出力端子がアナログRGBでもDVI、HDMIでもなく、DisplayPortというのは残念だ。変換コネクターは別売りで数千円する。そうなると、DisplayPort対応の液晶ディスプレーや専用変換コネクターを買うよりは、いっそUSBディスプレーアダプターという選択肢もあるだろう。

 タッチパッドが「モーメンタムスクロール」に対応しているのも見逃せない。2本指で素早くなぞると、スクロールに慣性が効いて、しばらく動作し続けるのだ。縦に長いウェブサイトなどを閲覧している時には非常に便利。

 また、電源端子の「Magsafe」も変わった。これまではケーブルからまっすぐに端子をつないでいたが、新型はMacBook Airのように横向きに装着するようになった。左側面を壁に沿って置けるようになるものの、実際はあまり使い勝手は変わらないだろう。

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