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西田 宗千佳のBeyond the Mobile第47回

ポップにリニューアルされた新VAIO Pは何が変わった?

2010年05月13日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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PS3連携がついに実現 だが実用性には「?」マークも

 ソフト面での進化では、「プレイステーション3との連携」が注目だ。同じソニー製品でありながら、プレイステーションシリーズとVAIOはほとんどつながらずにきた。もちろん、連携と言ってもVAIO Pでプレイステーション系のゲームが遊べるわけではないのだが、今回、PS3の周辺機器としてVAIO Pを利用する機能が用意された。それがPS3の「リモートプレイ」と「Bluetooth」だ。

 リモートプレイは、PS3の操作画面をMPEG-4で伝送し、ネット経由で利用できるようにする機能。これまでは主にPSPとの連携で利用されてきたが、4月23日に公開されたPS3の最新ファームウエアから、「VAIOも対象になる」との発表がなされていた。

リモートプレイ中の画面 リモートプレイ中の画面。PS3のXMBがそのまま表示される。PS3内に蓄積された写真や動画の再生のほか、ウェブ表示などもできる。が、ウェブを見るなら素直にWindowsを使った方がいい

 操作は意外と単純だ。プレインストールされている専用ソフトを起動し、PS3側で設定すれば、あとは接続まで自動。PS3のコントローラーをVAIO Pで利用はできないが、ソフト側にコントローラーでの操作をキーボードで代替する機能が搭載されているので、そちらを使う。

 十字キーはもちろんカーソルキーでいいが、「○×△□」の4キーは、「A」「S」「Z」「X」で操作する、といった設定が用意されている。転送画面の解像度はPSPと同じく480×272ドットなので、VAIO Pに全画面表示するとちょっとぼやける。転送画像のクオリティーや反応は十分で、PSPと大差ない印象だ。

VAIO Pから利用できないコンテンツの場合には、このような表示が VAIO Pから利用できないコンテンツの場合には、このような表示が。地デジチューナーの「torne」が使えないのはとても残念

 ただし、気になる点が2つある。ひとつは、リモートプレイで利用できるコンテンツがPSPに比べ少ないこと。元々リモートプレイは、ゲームでの対応には限界があり、PS3内の映像コンテンツやウェブの利用が中心であったが、最近はPS3用の地デジチューナーキット「torne」の映像も見られることから、人気が高まりつつあった。しかし残念ながら、VAIO Pからはtorneが使えない。これではせっかくの機能ももったいない。著作権保護の問題からの制約だけれども、なんとかならないものだろうか。

 もうひとつは発熱が大きいこと。本連載恒例となる、本体の発熱チェックしてみたが、今回は「高負荷時」として、「リモートプレイ機能利用時」のデータを採用したほどの熱さになる。

 元々「P系VAIO」は、Atom Zが常に負荷が高くなりやすいうえに、本体容量が小さいので空冷しにくく、本体が熱を持ちやすい。アイドル時の発熱は「旧モデルより若干下がったかな?」と思えるが、それでも高負荷時の発熱は高めになっている。ゲームの多くやtorneが使えないとなると、ここまでの負荷をかけてまでリモートプレイを利用するだけの魅力は薄い、と言わざるをえない。

各部の温度 各部の温度 放射温度計による測定、室温は23℃。フルパワー時はリモートプレイ機能利用中の測定

 Bluetoohキーボード機能は、VAIO PのキーボードをBluetoothキーボードとして使うものだ。オンラインゲームなどには便利だろう。ただ、普通のBluetoothキーボードよりも圧倒的に重いし、電力も食うものを常用するのは現実的ではない。「文字入力したいけど今は別のキーボードがない」時の代替手段と考えるべきだろう。なお当然ながら、Bluetoothキーボードとして利用している際には、VAIO P側ではキーボードとしては使えない。

Bluetoothキーボードとして接続する準備 接続中は、VAIO P側にはこのような表示が出る
PS3とBluetoothキーボードとして接続する準備をしている最中。ようは内蔵キーボードをそのまま「Bluetoothデバイス」にみせかける仕組みである接続中は、VAIO P側にはこのような表示が出る。PCキーボードとしての機能はオフされ、PS3側にすべての入力が転送される

 ソフトの点で、もうひとつ触れておきたい。Pシリーズには、Windowsを起動せずに内蔵のLinux系OSを使い、すぐにウェブなどを使える「インスタントモード」があった。それは今回も健在だ。ただし、その構成はよりシンプルに「ウェブブラウザが表示されるだけ」のものになった。

 Twitterにしろメッセンジャー系アプリケーションにしろ、今はウェブアプリで利用できるようになっているから、「フルバージョンのFirefoxが起動すればOK」という判断だろうか。起動までの時間は十数秒で、意外と使える機能である。サスペンド/休止状態を好まない人は、こちらの活用をお勧めする。

インスタントモードの画面 インスタントモードの画面。いきなりFirefoxが立ち上がる。無線LANはもちろんWWAN系も利用できるので、メールやウェブのチェックならこちらだけでもOK。ただしFlashのバージョンの問題からか、一部動作が異なるウェブページもある

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