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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第47回

ポップにリニューアルされた新VAIO Pは何が変わった?

2010年05月13日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 気がついてみれば、初代の「VAIO type P」(VGN-P70、80シリーズ)の発売から、すでに1年半近くが経過した。今回試用するのは、そのリニューアル後継機にあたる新「VAIO P」だ。店頭販売モデルの「VPCP119KJ」を試用できたので、その性能をチェックしてみた。VAIO Pは1年半でどう変わったのだろうか。

VAIO P(VPCP119KJ/D)

VAIO P(VPCP119KJ/D)


デザインテイストが大幅変更、「モバイルグリップ」復活

 VAIO Pの外観をチェックしてみよう。サイズ的には旧モデルとほとんど変わらない。角がとれ、カラーリングがポップになったことをのぞけば、基本的な要素は踏襲している。ティザー広告でも使われたように、クリップ的な「くるっとくるむ」ようなデザインテイストになったせいか、ぱっと見にはちょっと小さくなったようにも見える。

旧VAIO type P(写真右)との比較。サイズはほとんど変わっていないので、コンセプトも変化なし、といっていい。「ハイエンド」的な外観から、よりポップで身軽な印象になった。マット仕上げなので指紋が気にならないのもいい

 旧モデルでは、全角/半角キーがESCキーの隣にあるイレギュラーな配置だったが、今回からはそれが修正されている。

キーはアイソレーション・タイプ。配列はより一般的なキーボードに近づいている

キーはアイソレーション・タイプ。配列はより一般的なキーボードに近づいている。タイプ感も若干だが改善している印象。右下には、解像度変更やインスタント機能/ウェブブラウザー呼び出し用ボタンも用意されている

本体正面

本体正面。左からSDメモリーカードスロット、メモリースティックスロット。どちらもダミーカード方式

本体左側面

本体左側面。左から電源コネクター、USB、ヘッドホン、無線機能スイッチ

本体右側面

本体右側面。ディスプレーなどのポートリプリケーター端子と、USB端子が並ぶ

こちらは2004年モデルの「VAIO type U」

こちらは2004年モデルの「VAIO type U」。両手持ちで使うスタイルが定番だった

 操作系という点で最も大きな変化は、ディスプレーの左右にタッチパッドとボタンが用意され、ディスプレーを両手で持って使うモバイルグリップスタイル」が復活したことだ。ソニーの小型PCとしては、「Uシリーズ」でずっと使われてきたものだが、キーボード重視となった初代VAIO type Pでは採用されてこなかった。

 しかし実際には、「Pくらいのサイズであればキーを使わずに操作したい」というニーズも大きく、ライバルである富士通の「LOOX U」は同様のポインターデバイスの採用を続けている。今回の復活は、おそらくそういうところにも狙いがあるのだろう。

復活の「モバイルグリップスタイル」

復活の「モバイルグリップスタイル」。横長なのでちょっと違和感もあるが、操作性は良好。重量も600g程度なので、特に負担も感じない

 採用されているタッチパッドは、おおむね親指の表面程度の大きさ。だが調整がしっかりとなされているようで、操作感は意外なほどいい。LOOX Uのそれよりも快適だと感じる。ウェブ閲覧などに使うなら、十分なものだ。

 ディスプレー解像度は、これまでと同じく1600×768ドット。高解像度・横長な印象は変わらないが、文字サイズが変更され、見やすくなったように思える。標準出荷状態でのWindows UIのDPI設定が、OS標準の96DPIから120DPIに変更されているためだ。もちろん従来どおりが良ければ、設定変更すればいい。

ディスプレーは相変わらず高解像度

ディスプレーは相変わらず高解像度。だがUIのDPI設定が変わったので少し見やすくなった。モバイルグリップスタイル用のタッチパッドは右、ボタンは左にある。ポインターの動きもなめらかでスムーズな感じで好感触

 さらに、画面を見やすくするためにズームボタンが用意されているが、この反応がなかなかいい。ボタンを押すと1280×600ドット相当の解像度に変更されるのだが、切り換え速度も意外に素早い。Pシリーズは「小さすぎて文字が見えない」と言われることが多かったので、その点に配慮してのものだろう。

 ちなみに、以前はディスプレーの右上で目立っていた内蔵カメラ機能だが、今回からはタッチパッド上方に、目立たないように搭載されている。カメラ機能はどのパソコンでも標準になり、いまさらデザイン的に強調する必要はない、というところだろうか。

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