Dreamweaver/Fireworksは堅実なバージョンアップ
新製品の投入や派手な新機能が目立つFlash製品に比べると、(X)HTML/CSSベースのWeb制作ツール「Dreamweaver CS5」「Fireworks CS5」は、堅実なバージョンアップ、という印象だ。
(X)HTML/CSSエディターの「Dreamweaver CS5」には、いまや(X)HTML/CSS(+JavaScript)によるWeb制作には欠かせなくなった「Firebug」の対抗機能が搭載された。「CSSインスペクトモード」を選択すると、CSSボックスモデルを確認したり、プレビュー画面でCSSプロパティの有効・無効を切り替えたりできる。ローカルファイルだけでなく、アドレスバーにURLを入力すれば公開中のWebページの場合でも利用できる。
WordPressなどのCMSの普及に伴ってニーズが高まっている、PHPのコーディング支援機能もパワーアップした。コードヒントの表示や日本語版リファレンスの参照、PHPで動的に生成される関連ファイルの収集/確認に対応した。
Web画像作成ツールの「Fireworks CS5」には、新たにデザインテンプレート機能が搭載された。ディスプレイ広告(いわゆるバナー)やモバイル端末の画面サンプルなど、26種類のデフォルトテンプレートが用意され、オリジナルのテンプレートの作成・登録もできる。このほか、動作速度の大幅な改善、JavaScriptによるバッチ処理に対応――などが主な強化ポイントだ。
なお、Web制作者の関心の高いHTML5やCSS3に関しては、Dreamweaver CS5およびFireworks CS5では特段、新機能は用意されていない。アドビはすでにHTML5をサポートする方針は打ち出しているので(関連記事)、CS6以降で何らかの対応機能が用意される、ということだろう。
買収したオムニチュアとの連携も
CS5では、アドビが2009年に買収したオムニチュア製品との連携も謳われている。具体的には、「Test&Target」(A/Bテストツール)のGUI設定(Dreamweaver/Flash Professional)、トラッキングコードのGUI設定(Flash Professional/Flash Catalyst)などの機能が付いた。アドビは旧オムニチュア製品とCS製品によって「Webサイトの最適化も含めたワークフローを実現する」としており、今後、本格的な機能連携が進みそうだ。
お断り:本記事は、アドビ システムズから提供を受けたベータ版をもとに執筆しています。画面デザインなどは製品版では変更になる可能性があります。
