アドビシステムズは12日、クリエイター向けのソフトスイート「Adobe Creative Suite 5」を発表した。スイートは全5種類で、ソフト単品ではウェブデザイナー向けの新製品「Flash Catalyst CS5」「Flash Builder 4 Standard」を含む合計14製品をラインナップする。発売は5月下旬の予定だ。
写真をなぞると人だけ消える!
謎の技術が新しいPhotoshop CS5
写真編集ソフト「Adobe Photoshop CS5」では、主に写真から必要なところだけを抜き出すトリミング系の機能が強化された。
1つ目は「写真から人物だけを選択する」機能。選択範囲をとる際、「境界線を調整」というモードから、毛や雲など、エッジの細かい対象物に応じた選択が出来るようになった。
2つ目は「写真から人物だけを取り除く」機能。壁の前に人物が立っている写真があるとき、人物をざっくりと選択して「コンテンツに応じた塗り」で塗りつぶすと、背後の壁が自然な形で補完される。
さらに「スポット修復ブラシ」という機能も併用すると、たとえば壁の前にある電線などを、ブラシでなぞるだけで「消せる」ようになった。拡材やフライヤー、雑誌に使うカットで人物だけ、あるいは背景だけをヌキたいというデザイナーにはうってつけの機能だろう。
すべての線を「自分流」タッチに!
アイコンも作りやすいIllustrator CS5
イラスト制作ソフト「Adobe Illustrator CS5」では、主に手書きの質感を強めたオリジナリティある「線」を描く機能、またアイコンや矢印などを作る機能が強化された。
まずは「線幅ツール」。自由に描いた線を、マウスのドラッグ操作だけで、好みの太さやパターンに出来る。変更したパターンを「プロファイル」として保存しておき、描いたイラストの線を強弱つけた「付けペン調」にすることもカンタンに出来るようになった。
つづいて「破線のコントロール」機能では、破線で「☆」の形を描いたとき、五つのカドでそれぞれしっかり切れるよう処理をする必要があったものを、ボタンひとつで調整してくれるようになった。ほかにもアイキャッチを作る際に便利な機能が多く追加されている。
また「シェイプ形成ツール」では、2つの図形をドラッグするだけでくっつけたり、Optionキー(WindowsはAltキー)を押しながらクリックすることで切り離したりと、これまでと比べ、かなり簡単にアイコンを作れるようになっている。
価格はそれぞれ、Photoshop CS5の通常版が9万9750円、アップグレード版は2万6250円。Illustrator CS5の通常版が8万4000円、アップグレード版は2万6250円となっている。Flashの開発環境でスマートフォン用アプリを作れるという「Flash Professional CS5」などを含めた、その他のスイートラインナップについては下記を参照。
CS5 Suite製品構成一覧
Design Standard |
Design Premium |
Web Premium |
Production Premium |
Master Collection |
|
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Photoshop CS5 | Std | Ext | Ext | Ext | Ext |
Illustrator CS5 | ● | ● | ● | ● | ● |
Acrobat 9 Professional | ● | ● | ● | - | ● |
InDesign CS5 | ● | ● | - | - | ● |
Contribute CS5 | - | - | ● | - | ● |
Dreamweaver CS5 | - | ● | ● | - | ● |
Fireworks CS5 | - | ● | ● | - | ● |
Flash Builder 4 Standard | - | - | ● | - | ● |
Flash Catalyst CS5 | - | ● | ● | ● | ● |
Flash CS5 Professional | - | ● | ● | ● | ● |
After Effects CS5 | - | - | - | ● | ● |
Premier Pro CS5 | - | - | - | ● | ● |
Soundbooth CS5 | - | - | - | ● | ● |
価格(製品版) | 19万8450円 | 24万9900円 | 23万6250円 | 26万1450円 | 39万7950円 |