今年もアドビの季節がやってきた。
ほぼ1年半ごとにメジャーアップデートを続けてきた、定番の写真編集ソフト「Photoshop」シリーズ。今回のバージョンは「CS5」だ(関連記事)。
これだけアップデートをくりかえす中、それまでのユーザーを戸惑わせてはいけないこともあり、インターフェースはCS4とほぼ同じだ。パッと一目で分かる大きな変化はない。だが、その中身は大きく進化している。
中でも大きなトピックは2つ。「MacOS Xバージョンが64bitアプリになった」こと、そして「コンテンツに応じた処理」が可能になったことだ。まずはこの2つから紹介していこう。
Mac版 64bit対応の実力は? CS4と比較した
まず、Photoshop CS5はインテルプロセッサー専用のソフトとしてイチから書き直されている。
今までのMac版Photoshopは「ユニバーサルバイナリ」と言って、PowerPC用とインテルプロセッサー用がひとつになったソフトだった。
それが64bit版になり、インテルプロセッサー互換の「MacOS X」との親和性が高くなっているのだ。時代の流れである。
その大きな差は、巨大なデータを扱いやすくなったこと。環境設定を見ると、64bit化によりメモリを積めば積むほど大量のキャッシュを確保できることが分かる(図)。
では前バージョンと比べ、具体的にどのくらい処理速度に差が出るのか?
2.8GHzのXeon CPUを2基搭載したMacProで、1000万画素相当の写真を6枚使い、「Photomerge」機能でパノラマ写真にしてみた。結果はCS4が約1分44秒、CS5で約1分。比較的重かった「修復ブラシ」ツールによる作業もCS5の方が1.5倍ほど速かった。
日常的に大きな画像を大量に処理する仕事をしていたり、CS4の速度に不満を感じていた人は、それだけでCS5にする価値はあるのではないだろうか。
(次のページに続く)