フルブラウザーだと3Gの方が速い?
今回の計測結果で最も高速だったのがauのSH006。画像がたくさんあるASCII.jpの表示も20秒を切る。とはいえ、3Gの接続時でも全体で2番目の速さ。どちらかというとブラウザーのソフトウェアが新しいというのが影響しているのかもしれない。また、一度全体を表示してから見たい箇所をズームするという仕組みも有利である。
端末 | 無線LAN利用時 | 3G利用時 |
---|---|---|
ドコモ「N-02B」 | 52.8秒 | 27.6秒 |
au「SH006」 | 19.6秒 | 23.3秒 |
ソフトバンク「943SH」 | 33.6秒 | 30.2秒 |
意外な結果になったのがドコモ「N-02B」とソフトバンク「943SH」。“3Gのほうが速い”のである。ブラウザーや接続設定の問題もあるかもしれないが、予想外の結果だ。ASCII.jpの場合、トップページのレイアウトがかなり複雑なので、通信速度よりもブラウザーのレンダリング性能に影響を受けた部分もあるかもしれない。いずれにせよ通信速度の差が、そのまま表示時間で差がつくとは考えない方がよさそうだ。
となると、ケータイにおける無線LAN機能はウェブブラウザーを利用する場合の表示速度よりも、「大容量の通信」の部分に期待するべきだろう。それでは各社の無線LAN専用サービスを見てみよう。
シンプルなのはau、充実しているのはドコモ
無線LAN関連サービスを現実的に一番安く利用できるのはau。無線LAN専用のサービスの「Wi-Fi WIN」は2011年6月一杯は無料だ。ただし対応機種数が少なく、提供サービスもシンプル。専用サイトでLISMO Videoの大容量動画をダウンロードできるが、公衆無線LANスポットは別途契約が必要だ。
ドコモは「ホームU」(月額490円)に加入し、対応ブロードバンド回線(フレッツ光など)と対応ルーターを用いることで、iモードのコンテンツを無線LAN経由でアクセスできるほか、IP電話の子機としてケータイから通話することも可能になる(「ワンナンバー」、月額157.5円)。
またアクセスポイントモードがあるのはドコモだけ。PSPやiPod touchといった無線LAN対応機器をFOMA端末経由でインターネットに接続できる。アクセスポイントモードを利用するには、mopera Uなどのプロバイダーへの加入が必須で、Uライトプラン利用時は月315円。ただし、パケット料金の上限はパケ・ホーダイ ダブルを用いても、月額1万3650円とかなり高くなる(通信速度を最大128kbpsに制限する「128K通信」ならば5985円で済む)。
ソフトバンクの「ケータイWi-Fi」はサービスの充実度でいうとドコモに次ぐ。産経新聞を無料で丸ごと読めるほか、最大100MBの動画ファイルを一括ダウンロードできる。またマクドナルドなどで利用できる「BBモバイルポイント」もサービスに付いてくる。しかも2010年12月までに申し込むと月額使用料はずっと無料だ。ただしパケット通信が専用コースとなり、料金も月4410円に固定されてしまうので、“無線LANを使ってパケット通信費を節約したい”場合にはまったく向かない。
対応機種 | サービス名称 | 月額利用料 | サービスの主な内容 | |
---|---|---|---|---|
NTTドコモ | N906iL、N-06A、N-02B(N906iLはアクセスポイントモードに非対応) | ホームU | 490円 | iモードのコンテンツ利用、独自の動画サービスの提供、IP電話経由での発着信(ワンナンバー)、ケータイの無線ルータ化(アクセスポイントモード) |
au | biblio、SH006 | Wi-Fi WIN | 525円(2011年6月まで無料) | EZwebのコンテンツ利用、LISMO Videoのケータイ単体での利用、大容量のアプリ/電子書籍コンテンツのダウンロード |
ソフトバンク | 943SH、941P、941SH、940N、940SH、931N | ケータイWi-Fi | 490円(2010年12月までの申し込みで無料) | Yahoo!ケータイの利用、独自の動画サービスの提供、新聞/雑誌コンテンツの提供 |
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