視聴ソフトは機能限定版が付属
地デジ視聴ソフトには付属の「PCastTV for 地デジ Lite」を使用する。同社のほかの地デジチューナーに付属する「PCastTV for 地デジ」と異なり、Liteでは録画番組のコピーや移動ができない。編集や加工機能もなく、視聴と録画ができるだけだ。
唯一、メモリースティック(または持ち出し対応機器)に録画番組をムーブして、プレイステーション・ポータブルやウォークマンでワンセグの録画番組を楽しめる。ただし、この場合もフルセグの地デジ放送はダメで、ムーブできるのはワンセグ放送の録画番組のみだ。また、ダビング10には非対応で、SDメモリーカードへのムーブにも対応しない。
設定が完了したら、即NHK総合の番組が表示された。画質は上々で、フルHDの液晶ディスプレーに全画面表示しても問題ない。デジタル出力ではなくアナログRGB出力でつないでも視聴はできるが、フルセグ放送でも画素数が52万画素以下にダウンコンバートされてしまう。フルセグを楽しむなら、COPPとHDCPに対応した環境で利用したい。
視聴画面はシンプルで、迷わずに使える。サブウインドウには、チャンネルの一覧や録画番組、予約一覧が表示される。チャンネルの切替も素早く、快適に視聴できる。また一時停止ボタンを押すと、10秒ほど待たされてからタイムシフト再生が始まる。CMなどに差し掛かったらスキップボタンを押して、15/30秒早送りして追いつける。
番組表機能はインターネット番組表(iEPG)に対応しており、録画予約はソネットの「テレビ王国」から行なえる。なお録画した番組を再生する際は、DT-F100本体をパソコンに接続しておく必要がある。また、保存先のドライブ名やフォルダー名も変更できず、永久保存したい大事な番組を録画するのには向いていない。とりあえず興味のある番組を録画し、気軽に視聴するような使い方が向いているだろう。
パソコン用地デジチューナーは、マルチディスプレーに対応していないことが多い。複数のディスプレーに表示している場合、対応環境のはずのメインディスプレーにも映らないことがある。本製品もマニュアルに「マルチディスプレーには対応しておりません」と明記しているのだが、筆者のテスト環境では普通に表示できた。テレビのウインドウをディスプレー間でドラッグ移動しても、表示されたままだ。ソフトの再起動さえ不要なのは便利だ。ちなみに、HDCPに対応していない液晶ディスプレーにドラッグしたところ、しばらくたってから画面がブラックアウトする。
ロッドアンテナは事実上ワンセグ専用
フルセグ受信は外部アンテナ必須
筆者のテスト環境では、付属の変換ケーブル経由でアンテナ線につないで視聴している状態からロッドアンテナにつなぎ変えてみたところ、映らなくなってしまった。周囲にマンションやビルが多いので電波が届きにくいのだろうか? そこで、山手線に乗りながらチェックしたところ、場所によっては時々映ったが、画質が悪い。電波状況を自動で判別し、ワンセグで表示されているようだ。「受信モード」をフルセグのみにしたところ、ほとんど映らなかった。
ロッドアンテナでのフルセグモバイル視聴は、現時点では難しそうだ。ワンセグ放送に限っても、従来のワンセグチューナーのほうが電波を拾っているような感じを受ける。関東限定の話になるが、新しい電波塔「東京スカイツリー」が2012年早春に竣工すれば、都内の電波状況も改善されて、受信できるようになるかもしれない。
コンパクトなので、出張や旅行の際に鞄に入れていき、ホテルで利用する手がある。仕事や観光中にDT-F100で録画しておき、夜にチェックするような使い方だ。延長アンテナをつないでいる状態では、(電波状況次第だが)快適に利用できる。ロッドアンテナでのモバイル視聴ができるようになるまでは、据え置き使用時のテレビチューナーとして使うのが適当だろう。
DT-F100/U2 の主な仕様 | |
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受信チャンネル | UHF 13~62ch、VHF 1~12ch、CATV C13~C63ch |
アンテナ入力 | 専用コネクター |
接続インターフェース | USB 2.0 |
サイズ | 幅64.9×奥行き12.7×高さ24.6mm |
質量 | 約16.1kg(アンテナ除く) |
対応OS | Windows 7/Vista SP1以降(32bit/64bit)、Windows XP SP2以降 |
価格 | 1万1500円 |
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筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。Netbookからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートPCは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、PCやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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