12月8日〜9日の間、赤坂にて「SaaS World Tokyo 2009」が開催されている。今やSaaSと言うよりもクラウドと言ったほうが通りがいいが、いずれにせよ今年の会場は大盛況。セールスフォース、Google、マイクロソフトなどのおなじみ企業のほか、NTTグループやオウケイウェイヴといった日本勢がかなり頑張っていたのが印象的だ。
まずは日本勢から見ていこう。先日settenベースのサービスを発表したNTTコミュニケーションズや、BizCloudで従来のサービスをクラウド型で展開するNTTデータなど、国内企業のクラウド対応が目立つ会場だった。
日本発のクラウド始まります
NTTコミュニケーションズ
“日本発クラウド始まります”と銘打ったのはNTTコミュニケーションズ。複数のサービスを展示していたが、たとえば「Bizホスティングベーシック」は、1ユーザー月額7000円程度で、仮想マシンを提供する。仮想サーバーのホスティングと言えるもので、仮想化ソフトはKVMを使用。サービスのキモは、“setten”技術の1つであるVPN接続により、顧客拠点とNTTコミュニケーションズのデータセンターをつなげること。回線を所有する通信事業者の強みを活かし、企業が安心して使えるセキュアな接続を確保している。
動き始めた
NTTデータのBizCloud
先日記事でお伝えしたNTTデータの「BizCloud」(関連記事)。NTTデータだけに、エンタープライズにおけるカスタマイズを伴ったプライベートクラウドという位置づけだ。展示では、BizCloudそのものの説明のほか、BizCloudで動作するCRMやERPが紹介されていた。
BizCloudの利用シーンは多岐にわたるが、システム自体を、SaaSベンダーに納入するようなケースも想定されている。
最大ブースで体験者を増やす
セールスフォース・ドットコム
SaaSの王者セールスフォース・ドットコムは、SaaS World中もっとも大きなブースを構え、場内イベントを開催。先日発表された「Salesforce Chatter」(関連記事)も、同社の新しいサービスとしてハンズオン会場で紹介されていた。
USBデバイスで、簡単に安全接続
日本セーフネットの「eToken Pro Anywhere」は、USBデバイスを使ったPKIソリューション(関連記事)。手持ちのパソコンに挿しトークンのパスワードを入力すれば、SaaSへの認証が完了し、セキュアな接続が可能となる。 SaaS利用の大きな課題であるユーザー認証のセキュリティを補う。
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