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チャンネルで見るインターネットをインテルも後押し

Web会議システムは、家電の分野で普及する?

2010年01月29日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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テレビ会議システムを、より安く構築するという目的で発展してきたWeb会議システムだが、フェイス トゥ フェイスのコミュニケーションというそのスタイルから、たとえば英会話教室からインターネット放送といった大規模システムまでソリューションが発展している。先日お伝えしたブイキューブは、まさにその急先鋒と言える。そして、マルチデバイス対応がモットーの同社は、ついにテレビにまで進出した。

安達寛高氏
今回お話をうかがった、カデンザ代表取締役 安達寛高氏
ROBRO-TV
カデンザのROBRO-TV

 ブイキューブのシステムを採用したテレビは、カデンザのシステムを組み込んだ、「ROBRO-TV」。Atom N270を組み込んでいることから、インテルの年頭記者発表会でも展示されていた一品だ。インテルは今年、家電などへの組み込みにも力を入れていくと語ったが、まさにそれを具現化したのが、ROBRO-TVということになろう。

 ところで、インテルの発表会ではこのROBRO-TV、Webカムを付けてはいるものの、あとはリモコンが置いてあるだけで、まったくのテレビそのものであった。係員の説明を受けないでROBRO-TVを見ていた記者は、単に地デジを映しているだけの“テレビ”のリモコンを手に、なんとかその他の機能を表示させようと躍起になっていたのだが、いくらいじっても単なるテレビなのである。

 実は、これこそROBRO-TVの真骨頂だ。Webとテレビの融合が謳われて幾星霜、時にはセットトップボックスがテレビに繋がり、時にはテレビがWeb閲覧機能を備えて進化してきたが、それらはいずれも、マウス操作などの新しいアクションをユーザーに求めた……とは言い切れないが、少なくとも「画面上のボタンをクリック」という行為はさせた。それは“新しいテレビ”にはふさわしいものの、お年寄りには近寄りがたいものがあったろう。

Yahoo!
Yahoo!Japanも“チャンネル”のひとつ

 ROBRO-TVは、シルバー層にも対応するため、“従来のテレビ”の使用感を逸脱することのないように設計された。すなわち、その操作のほとんどを、リモコンの“チャンネル”によって行なえてしまうのだ。具体的には、12チャンネルまではテレビと同じく地デジを映すが、13チャンネルを指定すると、Yahoo!Japanが表示されるのである。14チャンネル以降も、各種Webサイトが割り当てられており、動画からショッピングまで、多彩なWebサイトがチャンネル化されて割り振られている。ユーザーは、テレビのチャンネルを指定するのと同じように、13チャンネル、30チャンネル、41チャンネル……と指定すれば、好みのWebサイトにアクセスできてしまうというわけだ。

 チャンネルは2桁=99まで用意されていて、89までは「公式チャンネル」として企業が契約している。すでに、Amazonや楽天、前述したYahoo!Japanなど、著名なサイトが名を連ねている。この、公式チャンネルへの参加がカデンザの収益となり、その収益がさらなるROBRO-TVの開発に注がれるという。ちなみに、90~99は、ユーザーが自分で登録できる。

文字入力
文字入力は、専用のインターフェイスに切り替わる
番号
Webページのリンクされている部分に、番号が割り振られている

 ROBRO-TVではさらに、Webサイトを開いたあとも、マウス操作は必要ない。もちろんリンクが張ってあるなどクリッカブルな要素が四角で囲まれていて、それをカーソルキーで指定するといったことも、しなくていい。すべてのクリッカブルな箇所には、3桁の番号が割り振られており、それをリモコンから入力すればいいのだ。たとえば、押したい場所に「124」という番号が表示されていたら、リモコンで「124」を押せば、マウスでクリックするのと同様の動作となる。また、検索エンジンの入力ウインドウのような文字の入力ボックスの場合は、自動的に文字入力画面に切り替わる。2桁はチャンネル、3桁はクリッカブルなオブジェクトの指定に使用しているのである。

 ROBRO-TVはOSにWindows XP Embededを採用しており、上記のような仕組みは、IEに渡るデータをROBRO-TVがフックして解析し、Aタグの部分を変換することで実現しているのだという。

 チャンネルは2桁、クリッカブルが3桁とすると、4桁は何か? 現在は、My Spaceと連動したアーティストの公式サイトが割り振られている。好きなアーティストの番号が分かれば、即座に4桁の数字を入力すればいいというわけだ。

 ROBRO-TVは14桁までの番号を入力できるようになっているのだが、あとの桁数の使い方は様々になる。面白いのは郵便番号から地図を表示する機能のほか、なんといってもカタログショッピングだ。通販事業者のカタログに記載されている番号を打ち込めば、その商品が買えてしまうという仕組みの搭載を検討している。

対面販売デモ
対面販売のイメージ。インターネット通販というと、人手を省いたビジネスというイメージが強いが、人と人を繋げるのもインターネットの特徴であるならば、こうして人を配置したモデルのほうが、強いのかもしれない

 ここで登場するのが、ブイキューブなのだ。このショッピングの仕組みの中に、オンラインによる対面サポートシステムが入っており、そこにブイキューブの「nice to meet you」が使われている。商品について詳しく聞きたい場合に、直接会話でやりとりができるから、顧客にとってもメリットが高い。

 さらに、ROBRO-TVにおけるnice to meet youの今後の展開としては、携帯電話とのテレビ電話機能も検討されている。リモコンで携帯電話の番号を入力すると、ブイキューブを通して携帯電話網に接続できるというわけだ。

 ROBRO-TVは、ドウシシャが販売元となって、現在店頭では6万9800円(エコポイント7000)で販売されているほか、通信キャリアのバンドル品として、ネットブックと同じような形態で販売されており、普及に対する取り組みも行なわれている。Webカムを取り付けさえすれば、パソコンよりも圧倒的に楽にWeb会議ができるデバイスだから、もしかしたらビジネス分野よりもよほど、Web会議システムが浸透する起爆剤になるかもしれない。

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