7.1ch環境をシミュレートするソニー「MDR-DS7100」
2.4GHz無線帯を利用したサラウンドヘッドフォンで、電波妨害を自動的に回避する「リアルタイムチャンネルセレクション機能」を搭載。同じ2.4GHz帯を使う無線LANなどとの干渉を防ぐ機能が装備されている。
特徴的なのは、2ch、あるいは5.1chで入力された音声を7.1ch環境をシミュレートしたバーチャルサラウンドで出力する機能。サラウンド音声の生成には、独自技術である「Virtualphones Technology」を利用している。なお、本体にHDMI入力は備わっていないので、Blu-rayに収録されたHDオーディオの7.1ch出力をそのまま再生することはできない。
ヘッドフォンは50mm径と大型のドライバを搭載したもの。イヤーパッドの素材には低反発ウレタンフォームが使われており、しっかり固定されるが圧迫感は少ない。ヘッドフォンの付け心地はよく、使っていて違和感がない。
機能面で注目したいのは、センターチャンネルのレベル調整。通常、映画での音声は視聴者の真正面に位置するセンタースピーカーから出力される。このチャンネルの音だけを調整することにより、台詞が聞こえづらい場合でも、全体の音量を上げることなく聞きやすくできるという機能だ。
「コンプレッション」と呼ばれる機能も搭載されている。これはダイナミックレンジを狭め、大きな音を小さく、小さな音を大きめに出力してくれるという機能。静かなシーンでいきなり爆発が起こり、その轟音で観客を驚かせるというのはよくあるパターンだが、そうした場面でも驚かずに済む。また、番組を見ているとき、本編とCMの音量差が気になるというユーザーにとっても有効だ。
サラウンド感は上々で、背後の音や目の前を左右に移動する音もしっかり認識できる。頭内定位も感じず、自分の周辺で音が鳴っているように感じられる。音質は中~高音域にかけて厚みがあり、解像感も高い。若干低音が控えめな印象を受けるが、重低音をことさら重視するのでなければ気にならないだろう。
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