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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第3回

一味違う!? こだわりのフロントサラウンド

2009年11月29日 12時00分更新

文● 大塚 康一

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反射音で7.1chを再現する「YSP」シリーズ

 続いて紹介するのは、ヤマハの「YSP」シリーズだ。スピーカーユニットから発したビーム状の音を壁に反射させて、実際に背後から飛んで来る音を聴かせる(つまり壁がサラウンドスピーカーの代わりになる)というものだ。音を投射するイメージからか、製品には「デジタル・サウンド・プロジェクター」と名付けられている。

 反射音とはいえ実音なので、疑似的にそれを出すバーチャルサラウンドとは一線を画す、とメーカーが豪語する所以である。最新モデル「YSP-4100」(実売価格16万円前後)を例に、その仕組みをもう少し詳しく説明してみよう。

 長さ1mあまりの横長の筐体には、4cm径の非常に小さなスピーカーが40個+その両側に11cmウーファーが2つ、合計42個のスピーカーが入っている。それぞれをドライブする42個のデジタルアンプが搭載されており、ビーム状の音を壁に反射させてサラウンド空間を生み出す。トータルの実用最大出力は120Wである。

ビームの調整画面

ビームの調整画面

調整用の付属マイク

調整用の付属マイク

 ビームは放射する角度や強さなどをある程度自由にコントロールできるため、部屋の特性や形に合わせた音場が生成できる。バーチャルサラウンドと比べて反射型サラウンドの優位性は、スイートスポットが広いということ。リスニングポイントが限定されないため、家族でサラウンドソースを見るときなどにも向いている。極端な話、部屋のコーナーに置いても、ビームの調整でそこそこサラウンド感を得られるのが凄い。

 設定そのものは付属のマイクで自動的に行なえるので、ユーザーが難しい作業に手を煩わせることはない。

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